インテリアレッスン

インテリアレッスン35 雨を楽しむ、紫陽花のテーブルコーディネート

2018.06.12

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「木村硝子店」の蓋つきのグラスは、香りを楽しむドリンクに最適。ボウルはローマの洋食器店で見つけた「カルロ モレッティ」のヴェネチアングラス。線状の凹凸が、糸雨(しう)を思わせる。

Tips2
雫の輝きのように使うガラス器


梅雨の合間に光に照らされ、きらめく雨の雫。そんな小さく儚い美しさを、テーブル上に描き出すのに欠かせないのがガラス器です。


「ガラス器は光に変化を与え、コーディネートの中に効果的な輝きをもたらします。

澄んだ雨の雫と同じ透明感は、見る人に自ずと清々しさを感じさせてくれます。

暑さや湿気が増してくる季節に、涼やかなアクセントとして使うことが多いです」

アペリティフの冷えた梅酒を注いだのは、ウィスキーのテイステイング用のグラス。蓋を開けると梅の爽やかな香りが広がります。

そして、ガラスボウルには、水にくぐらせた木いちごの葉をひらりとセッティング。

「紫陽花には毒性成分が含まれていると言われますから、食器や料理の飾りに使用する葉は別の植物のものにします。

みずみずしい葉を1枚添えるだけで、テーブルに涼感を運んでくれます」

 


ディオールと、樺細工(桜皮細工)を制作している秋田の「富岡商店」のコラボレーションによるトレーは、卓上の折敷とお揃いのデザイン。「アトリエジュンコ」で見つけたアイアン製のスタンドに乗せて、トレースタンドとして使用した。

Tips3
揃いの折敷とトレーで全体の統一感を作る


「和の雰囲気が欲しいとき、折敷はとっても重宝するアイテムです」と多美保さん。

絣のような柄ゆきのトップクロスの上に置かれているのは、「ハウス オブ ディオール ギンザ 」で見つけた、樺材で縁取りされた杉の折敷。

金属を思わせる釉薬が個性的なリモージュの角皿に、鎌倉彫の老舗「博古堂」の皿とガラスボウルを重ねました。

白木のシャンパンクーラーとグラスを置いたトレーも、サイズ違いの同じデザインです。

「テーブルとは別に、ちょっと傍らに置いておけるトレースタンドがあると便利です。

トレースタンドというと銀色のものが多いのですが、こういった木製のものは“金”にも“銀”のアイテムにも合うのが良いところ。

トレーと折敷をお揃いにしたり、似た雰囲気のものを選ぶと全体に統一感が出ます」

日本の伝統工芸の技術を生かした品でありながらも、ヨーロッパのサイズ感で作られているため、折敷はディナープレートなどの洋食器に合わせやすいのも特長。

さらに、トレーの上に折敷2枚がぴったりと収まり重ねられるデザインになっています。

「基本的に収納がしやすいよう折敷やトレーはぴたっと積み重ねのできるものを選んでいます。

あとは縁に立ち上がりがあるものが、運びやすくて便利」なのだそう。

モノを選ぶ際には、“どうコーディネートするのか” “どう収納するのか”を熟考することが大切です。
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