抱腹絶倒、しかもタイムリー!? 片岡愛之助さんが、再び“三谷版・ジキル博士”に！

今月2月の徳島県大塚国際美術館のホールを使った「システィーナ歌舞伎」では座頭を勤めた。

――コメディはお好きですか？

「見るのは好きですが、やるのは難しいですね。ちょっとでも間を外すと、面白くなくなってしまいます。たとえて言うなら、卓球のラリーでしょうかね。舞台は生もので、日によって相手の体調も違ったりするので、その時にどんな間で来るのかというのを瞬時に見計らって、飛んできた“生きた球”をパンと打ち返していく。特に三谷さんは間を大切にされているので、すごく勉強になります」

――歌舞伎俳優として、和事から荒事まで幅広い役柄を勤める一方で、今回のような舞台や映像作品でも活躍されている愛之助さん。今後の展望をどう考えていらっしゃいますか？

「歌舞伎とそれ以外の仕事の両方を、いいバランスでやっていきたいです。テレビの仕事の難しいところは、ある程度出ていないと“あの人消えちゃったね”と思われてしまうこと。本業の歌舞伎を頑張っていたとしても、それは歌舞伎を観に来てくださった方にしかわからないことなんです。両方を並行してやっていくことが、歌舞伎の発展に繋がればと思いますし、役者としてのスキルも上げていきたいですね。歌舞伎界ではまだ若手とはいえ、僕もそう若くはない年なので、一度きりの人生を悔いのないように送りたいなと思います」

――今後、挑戦してみたいことは何でしょう？

「夢だった海外公演が、この『酒と涙とジキルとハイド』で叶ったので、今度は歌舞伎の公演で海外に行きたいですね。あとは僕、子役として初めて出させていただいたドラマが、藤山直美さんが主演された『欲しがりません勝つまでは』(1979年)というNHK銀河テレビ小説なんですね。なので、僕は上方の役者ですから、NHK大阪制作の朝ドラ(連続テレビ小説)には、いつか出てみたい。誰かこれを読んで、呼んでくれないかな(笑)？」

――最後に、今回の舞台への抱負を込めつつ、メッセージをお願いします。

「原作とは一味も二味も違う、“酒と涙と”がついた、三谷さんのジキルとハイドです。なんのこっちゃと思われるかもしれませんが、観てくだされば抱腹絶倒。まさか!?と思うような台詞も出てきますし、きっと共感できる部分もたくさんあると思います。出演者4人が命を削り、汗だくになって走り回るので、その魂を劇場で受け取っていただければ。ぜひお見逃しなきようにお願いします！」