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「病名さがしの旅」という名の検査レール、本当にすべて必要なの?

2018.04.27

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お医者さまの取扱説明書 総合内科医の尾藤誠司先生に、患者と医師の良好コミュニケーション術を教わります。記事一覧はこちら>>
何度も何度も検査を受け、最終的に「特に問題はありませんでした」といわれて拍子抜け。あんなにたくさんの検査が必要だったのだろうか、と疑問に思うことはありませんか?

なぜ検査が繰り返されるのかを理解し、検査に関する不満やイライラを解消するための賢い対応方法を伺います。

尾藤誠司先生


尾藤誠司(びとう・せいじ)先生
1965年、愛知県生まれ。岐阜大学医学部卒業後、国立長崎中央病院、国立東京第二病院(現・東京医療センター)、国立佐渡療養所に勤務。95年〜97年UCLAに留学し、臨床疫学を学び、医療と社会とのかかわりを研究。総合内科医として東京医療センターでの診療、研修医の教育、医師・看護師の臨床研究の支援、診療の質の向上を目指す事業にかかわる。著書に『「医師アタマ」との付き合い方』(中公新書ラクレ)、『医者の言うことは話半分でいい』(PHP)ほか。

病気が“あること”より“ないこと”を証明する検査


血液検査、尿検査、レントゲン、超音波、CT、MRI、内視鏡……病院で、ふと気がつけば乗せられている検査のレール。検査のためだけの通院や入院が必要な場合も多く、身体的にも時間的にも大きな負担となり、肝心の治療に行き着く前にほとほと疲れてしまうこともしばしばです。

「もちろん大半は必要な検査なのですが、“9割がた問題はないと思うけれど、念のためにやっておいたほうが安心だ”と考えて行う検査も少なくないのが事実。医師には、検査のループに陥りやすい独特の思考回路があるのです」と尾藤誠司先生はいいます。

それはいったいどのような回路なのでしょうか――。

検査には、病気を特定する(黒を黒とする)検査と、病気がないことを証明する(白を白とする)検査の2種類があり、医師の考える検査の多くが後者、難しいのも後者。

たとえば頭痛の患者を診察した医師が平然とCT検査やMRI検査を行うときは、たいてい、くも膜下出血や脳卒中や脳梗塞などの怖い病気が“ないこと”を証明する目的です。結果、白だと確信すると、医師はとりあえず安心して「特に病気は見つかりませんでした」と患者に告げます。

このとき患者が「では原因は何なのでしょう」と聞いてしまうと、2人は果てしない検査の旅に出ることに――。

白を白とする検査をいくら重ねても他の病気の可能性は残り、100パーセント白にはならないからです。どこまで突き詰めるかは医師の判断によりますが、「原因を知りたい」欲求と「危険な病気を見逃したら大変だ」との不安から、医師は次々と検査を重ねることになりがちです。

「検査モードに陥りかけた医師のスイッチを切り替えるには、患者さんが、病名探しよりも、今自分が困っていることを解消してほしいと伝えるとよいでしょう」
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