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生活習慣病を予防する「ゆるやかな糖質制限食」のすすめ

2018.04.17

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前回「「4つの新アンチエイジング習慣」で見た目の若さを維持する」で、若さと健康を保つには「ゆるやかな糖質制限食」で高血糖を防ぐことが重要であるとご紹介しました。「ゆるやかな糖質制限食」の詳しいポイントを、糖尿病専門医で食・楽・健康協会代表理事の山田 悟先生にお聞きしました。

【新・アンチエイジング習慣】その2.食事
生活習慣病を予防し、細胞の老化を遅らせる「ゆるやかな糖質制限食」


山田 悟先生

山田 悟先生

カロリーを気にせず、たんぱく質・脂質・食物繊維をたっぷりとる


見た目の若さを最も左右するのは、肌のシワやたるみ、くすみです。その原因としてよく知られているのが紫外線などを浴びることによって起きる光老化ですが、「実は糖質をとりすぎて血糖値が上がること(食後高血糖)でも肌の老化は促進されます」と糖尿病専門医で食・楽・健康協会代表理事の山田 悟先生は話します。

食後高血糖の状態になると、糖がたんぱく質と結合し、糖化反応によって最終糖化産物が大量に生成されます。これが肌中のコラーゲン繊維にこびりついたり、コラーゲン繊維を切断したりすると、肌のハリが失われ、シワやたるみが生じます。

また、最終糖化産物は細胞の色素沈着を助長し、黄ぐすみの原因にもなります。「この作用は紫外線を浴びることでさらに高まるといわれています」。

一方、食後高血糖は美容だけでなく健康にも悪影響を及ぼします。女性は閉経後、骨密度が急激に低下し、骨折リスクが高まりますが、骨質(骨の強度)が悪いと、より骨折しやすくなります。

この骨質を支えているのが骨に含まれるコラーゲン繊維です。高血糖になると骨でも肌と同じように糖化反応が起こり、骨質が悪化します。同時に骨密度の低下も引き起こすので、骨にとってはダブルパンチです。

効率よく筋肉がつくれて、いつまでも元気に動ける体に


さらに、食後高血糖は認知機能にも影響が。

「アルツハイマー病の原因物質の一つとされるアミロイドβの分解酵素は、高血糖に伴って遅延して過剰に出てくるインスリンの分解にも使用されるため、アミロイドβの分解に使われる分が足りなくなり、認知症リスクが高まると考えられます」。

食後高血糖に加え、血糖値の上下動が大きくなることも危険です。この血糖スパイクが血管内皮を傷つけ、認知機能の低下や動脈硬化症の一因になることも判明しています。動脈硬化症が進展すると、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など致命的な血管病のリスクも高まります。

「食後血糖値を上げず、血糖値の上下動も起こさないようにするには、一食あたりの糖質量を20〜40グラムにコントロールし、カロリーを気にせず、たんぱく質、脂質、食物繊維をたっぷりとることが大切です」と山田先生はアドバイスします。

この食事法は効率よく筋肉合成もできるので、いつまでも元気に動ける体づくりにも役立ち、まさに最強の食事といえます。

低糖質食を続けると、中性脂肪やコレステロール値が改善する


低糖質食、地中海食、低脂質食の3つの食事形式で、中性脂肪と善玉コレステロール値の変化を見ると、いずれも低糖質食の効果が最も高かった。

低糖質食を続けると、中性脂肪やコレステロール値が改善

低糖質食を続けると、中性脂肪やコレステロール値が改善

※N Engl J Med 2008,359,229-241をもとに作成
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