贈り物に心を込めて 年末のホリデーシーズンや新しい年のはじまりに、大切なかたへの贈り物を。選ぶアイテムやタイミングはもちろんですが、そこに込めた贈り手の気持ちも大切です。古来、日本人が用いてきた「水引」に込められた贈るという心意気を紐解きながら、ラグジュアリーで素敵なギフトアイテムをご紹介します。
相手を思って選びその心を伝えるために
「贈る」という行為は、相手の好みや喜ぶ顔を思い浮かべながら、互いの心と心を結びつける“儀式”ともいえるもの。古くから日本の贈答文化や儀礼に使われてきた「水引」も、結び方や色、形ごとに多様な意味を持ち、あたたかい気持ちを表す術として重要な役割を担ってきました。
それはどのように始まり現代に継承されていったのかを、金沢の老舗水引専門店「加賀水引 津田水引折型」5代目・津田六佑さんに伺いました。
「聖徳太子の時代には、遣隋使が日本に贈り物を持ってくる際に品物を紐で結び、そこに紅白や黒の色をつけた結び目を作っていたそうです。品物を海賊から守るため、途中で開けられた場合にその証拠が残るように、結び目の先に毒を塗ったという説もあります。その後、水引は日本の贈答文化に取り入れられ、魔除けや縁結び、未開封を意味するものとして広まりました。
より豪華に気持ちを贈る「立体水引」(加賀水引 津田水引折型製)。“寿” の漢字は、結婚式に限らず相手を特別に祝う気持ちを伝える場合にも使える。
なかでも加賀水引は、昔は平面だけだった結びのデザインを立体的にしたり、松竹梅などの吉祥をモチーフにした多様な装飾を施したりして、より洗練された形に進化してきました。水引が伝える本質は、単なる装飾ではなく、心を込めて選んだ贈り物を“包む、結ぶ、そして書く”ことによりさらに気持ちを伝える『コミュニケーションのツール』としての役割です。
「大切な品物を包み、結び、メッセージを書く」。この一連の儀式は静謐かつ思いを深める時間に。
これは相手に気持ちを示すための方法として、直球の言葉ではなく、間接的な手段を取る日本文化の特徴を表しています。一般的に使われる『あわじ結び』(結び目が8の字に見える結び方)や、一度結んだら解けないようにして幸せを願う『結び切り』など、結び方の違いによりさまざな気持ちが表現できます」
誰でも簡単にできる「あわじ結び」をかけるだけで簡単な包装でも心を伝えるギフトに早変わり。
日本の古から伝わってきた水引に込められた感謝や祝福、相手との良縁を願う思い──こうした“心を尽くす”という姿勢は、形こそ変われど、現代の贈り物に込める思いにも通じるのではないでしょうか。
「どうぞ健やかに」「幸多くありますように」──祈りのように相手を思う心を、今年のあなたの贈り物に乗せて。
現代には、紅白以外にも多様な色の水引が。好みの色をラッピングに取り入れてみては。
加賀水引 津田水引折型

「贈り物に心を込めて」の表現のひとつとして水引に関するお話を伺ったのが金沢の老舗「加賀水引 津田水引折型」。
カバー写真にも登場する“木の枝”モチーフの水引アートも、5代目の津田六佑さんに制作していただきました。上写真の午は、「干支ぽち袋」にあしらわれる水引細工の午。
お問い合わせ津田水引折型
076-214-6363
https://kagamizuhiki.com/ 幾通りにも活躍する“ラッキーモチーフ”で幸せを贈る
Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)幸運のシンボルである四つ葉のクローバーをモチーフにした「アルハンブラ」は、大切な方への贈り物にふさわしい逸品。コレクションに加わったトランスフォーマブルロングネックレスは、写真のようにパーツを外してショートネックレス&ブレスレットとしても装えます。リングはモチーフを回転させて、ゴールド面からグレーのマザーオブパール面にチェンジすることが可能。「マジック アルハンブラ」トランスフォーマブル ロングネックレス(RG×マザーオブパール)563万6400円 「ヴィンテージ アルハンブラ」リバーシブルリング(RG×マザーオブパール×ダイヤモンド)102万9600円/ともにヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)
お問い合わせヴァン クリーフ&アーペル ル デスク
フリーダイヤル 0120-10-1906
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この記事の掲載号
『KATEIGAHO JOURNAL(家庭画報 ジャーナル)』
2025年12月6日発行号(非売品/Free)

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