〔特集〕最新展示で命の躍動と不思議に出合う 大人が楽しい水族館・動物園 豊かな自然環境のもと、瑞々しい生命の息吹に触れられる水族館・動物園は、人生経験を重ねた大人が改めて学びや癒やしを得られるスポットとして今、注目を集めています。生き物が暮らす環境の再現や、アートのような演出など、非日常感を味わえる展示方法に魅力ある施設を中心に、全国から厳選してご案内します。
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“水中美術館” で マインドフルネス
はるか遠い昔、この地球に初めて宿った命の鼓動が聞こえてくるかのような水中の世界。近年は海や川の生き物たちの営みをアートに見立てた展示の水族館が増えています。自然環境を見事に再現した、美術館のような水族館を訪れて、非日常のひとときを過ごしながら、涼やかに心をリフレッシュしてみてはいかがでしょう。
長良川から世界の川へ旅をする
世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ(岐阜県)
長良川・木曽川・揖斐川の木曽三川を有する “清流の国” 岐阜県に、世界最大級の淡水魚の水族館があります。
きれいな水で知られる長良川をはじめ、インドシナ半島のメコン川や、アフリカ大陸のコンゴ川、タンガニーカ湖、南米大陸のアマゾン川など、世界各地の約220種2万匹もの生き物が展示されています。
日本固有のタナゴの仲間で、国の天然記念物に指定されているイタセンパラ。秋の繁殖期にオスの体色が変化し、紫色の婚姻色が見られる。写真提供/同館
メコン川のイエローフィンバーグ。
コンゴ川のレッドジュエルフィッシュ。
なかでもスター的存在なのが、世界最大級の淡水魚で、絶滅の危機に瀕しているメコンオオナマズ。2004年の開館当初から長年飼育を担当した現館長の池谷幸樹さんが中心となって研究し、2024年には、1年以上絶食することができるという不思議な生態を論文で発表しました。
最大で3メートル、350キロにもなるといわれるメコンオオナマズ。展示されている大きな個体の全長は、2024年9月時点で180センチほど。
そして2024年、屋外の新エリアもオープンしました。木曽三川の上流、中流、下流が再現されていて、エサやり体験ができる水槽もあり、岐阜の美しい川の景色を、これまで以上に楽しめるようになりました。
新エリア「木曽三川 長良川・木曽川・揖斐川の豊かな水辺」。水槽上部は開放されている。写真提供/同館
世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ住所:岐阜県各務原市川島笠田町1453
TEL:0586(89)8200
開館時間:9時30分~17時 土曜・日曜・祝日は18時まで(いずれも1時間前最終入館)
休館日:不定休
入館料:大人1780円 年間パスポート3560円
(次回に続く。
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