〔特集〕最新展示で命の躍動と不思議に出合う 大人が楽しい水族館・動物園 豊かな自然環境のもと、瑞々しい生命の息吹に触れられる水族館・動物園は、人生経験を重ねた大人が改めて学びや癒やしを得られるスポットとして今、注目を集めています。生き物が暮らす環境の再現や、アートのような演出など、非日常感を味わえる展示方法に魅力ある施設を中心に、全国から厳選してご案内します。
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“水中美術館” で マインドフルネス
はるか遠い昔、この地球に初めて宿った命の鼓動が聞こえてくるかのような水中の世界。近年は海や川の生き物たちの営みをアートに見立てた展示の水族館が増えています。自然環境を見事に再現した、美術館のような水族館を訪れて、非日常のひとときを過ごしながら、涼やかに心をリフレッシュしてみてはいかがでしょう。
きらめく川の原風景を見る
栃木県なかがわ水遊園 (栃木県)
建築家の古市徹雄氏が設計を手がけた「栃木県なかがわ水遊園」の「おもしろ魚館」は、内陸にある栃木県唯一の水族館。温室のようなガラスドームに太陽光がたっぷりと降り注ぐ中、美しい植栽に囲まれて、近くを流れる那珂川や世界の淡水魚たちが悠々と泳いでいます。
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「栃木県なかがわ水遊園」の魚たちをフォトギャラリーで見る→
那珂川の水を引いた人工池の上に建つ水族館。建築デザインとしての評価も高い。
地元の樹木を植栽した那珂川のジオラマ水槽のコイ。
飼育担当の日下部雄太さんは、「自然光のもと魚本来の体色が見られます。季節によって色が変わる種類もあり、豊かな自然の中、四季を感じていただけるはずです」と話します。
特に注目したいのが、南米アマゾン川を再現した、400トンもの巨大水槽。
トンネルは床もガラス張りになっていて、迫力満点のアマゾン川散歩が楽しめる。
アマゾン大水槽では人気のチューブ型トンネルで、世界最大級の淡水魚であるピラルクーを下から見ることができる。
世界最大のこの川は未知の領域も多く、コロナ禍以前には数年に一度、スタッフによる現地調査と研究が行われていました。その際に日本へはるばるやって来たユニークな生き物にも出会えます。
アマゾン川からやって来た淡水エイのプレシオトリゴン・ナナ。国内唯一の展示。世界で初めて繁殖に成功。写真提供/同館
燦燦と日が差す森の中の川底を、魚気分で探検してみてください。
栃木県なかがわ水遊園 おもしろ魚館住所:栃木県大田原市佐良土2686
TEL:0287(98)3055
開館時間:9時30分~16時30分 2025年12月20日は20時まで(いずれも30分前最終入館)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)・第4木曜(祝日の場合は開館)
入館料:大人900円 年間パスポート2500円
(次回に続く。
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