〔特集〕腸内細菌「酪酸菌(らくさんきん)」を育てて健康ライフ 食べる免疫力 腸には全身の免疫機能の約7割が備わっています。免疫機能が活性化するのは、各種の有用な腸内細菌の連携プレーがあってこそです。その中でも要注目なのが、有用菌の一つである「酪酸菌」。腸内で酪酸を産生して免疫力の高い体作りに関与しています。酪酸菌を増やし育てる食生活を心がけることで、健康長寿を目指しましょう。
前回の記事はこちら>>・
特集「食べる免疫力」の記事一覧はこちら>>>
免疫力が高まる食習慣
発酵性食物繊維で「酪酸菌」を整える

酪酸菌の餌になる発酵性食物繊維を積極的に
発酵性食物繊維は、酪酸菌の餌になる食物繊維です。酪酸菌は発酵性食物繊維を餌として酪酸を産生します。がんリスクの抑制と健康維持のため、WHOでは一日の発酵性食物繊維の摂取量を25グラムと推奨しています。ところが、日本人の平均摂取量は推奨量の約5グラム〜10グラムも不足。その数値に比例して糖尿病や大腸がんなどの発症率も上がっています。
日本人の食物繊維の摂取量が少ないのは、主食の米、パン、麺類が精製されたものに偏っていることも指摘されています。酪酸菌を育み、高い免疫力を維持するため、まずは発酵性食物繊維の摂取量を一日に3グラム増やすような食事を心がけましょう。
出典:『酪酸菌を増やせば健康・長寿になれる』(あさ出版)/内藤裕二著
主食を全粒穀物に置き替える

最も手軽なのは、主食に玄米や麦飯、雑穀米、全粒粉パン、ブランパン、シリアルなどを活用することです。
例えば麦飯に豆類を加えたおにぎりは1個で約8グラムの発酵性食物繊維が摂取できます。玄米ご飯は茶碗1杯(約150グラム)で約2.3グラム、全粒粉食パンは1枚(6枚切り)で約3.3グラムです。主食を全粒粉などに替えるだけで、無理なく取り入れられます。
主食をアレンジするだけで酪酸菌が増えていきます
【白米+雑穀・押麦】
雑穀米、麦飯に豆や海藻を加えた“健康長寿おにぎり”を麦飯にミックスきのこを混ぜたおにぎりや雑穀米にあずきを混ぜたおにぎりは、1個で約4~8グラムの発酵性食物繊維がとれます。特に冷めたご飯のおにぎりは、でんぷんの一部がレジスタントスターチに変換し、腸内の有用菌を増やします。
酪酸菌を減らし腸内環境のバランスを崩す食習慣の見直しを
【スイーツ】スイーツは特別な日に精製された砂糖をたっぷりと使うスイーツや、人工甘味料を使用した飲料を摂取すると、腸内で分解される際にアルコール分を放出し、腸内細菌叢のバランスを崩し悪用菌を増やします。デザートには発酵性食物繊維を含む、キウィフルーツなどの果物やさつまいもがおすすめです。
【動物性脂肪・加工肉】たんぱく質は魚や豆類で牛肉や豚肉などの赤身肉、加工肉は腸内で悪用菌を増やし硫化水素を生成します。日本人は硫化水素を除去する菌の保有が少なく、硫化水素の増加が大腸がんの発生に繫がることがわかっています。肉を食べるときは、一緒に発酵性食物繊維を多くとることで体を守りましょう。
【アルコール】お酒はたしなむ程度にアルコールを多量に摂取し続けると、大腸菌などの悪用菌が増え、腸管のバリアを破壊し、体全体に毒素が侵入して肝臓などの他の臓器にも影響が。一日のアルコール摂取量が15グラム増えるごとに大腸がんのリスクが約10パーセント高まります。一日にワイン2杯(約23ml)が適量です。
(次回に続く。
この特集の記事一覧はこちらから>>)