
疲れ、冷え、不眠…etc。「なんとなく不調」の改善法(5) 女性に多い「なんとなく不調」。病気ではないものの体調がすぐれず、痛みや不快感を抱えている状態を指します。今回は幅広い年代で悩む人が多い肩こりと首こりについて、医師の石原新菜先生が解説します。連載一覧はこちら>>
肩こりや頭痛は、「なんとなく不調」のなかでも特に女性に多い症状です。内閣府が実施した調査でも、「肩こり、関節痛」「頭痛、めまい、耳鳴り」に悩む女性は、男性より10%以上多いという結果が出ています。
令和5年度 男女の健康意識に関する調査 報告書のポイント(内閣府)
「腰痛などの関節痛や生理痛も、原因は血流にあります。基本的に、ぶつけたりケガをしたりといった急性の炎症以外の痛みは、ほぼすべて血流が悪いせいだと考えてよいでしょう。逆にいえば、血流を促進することで、こりや痛みの大半を改善することができるのです」(石原先生)
現代人とは切っても切り離せないスマートフォンやパソコン作業も血行不良につながり、こりを招きます。
「デスクワークなどで長時間同じ姿勢をしていると、血管がその位置で圧迫されて血流が阻害され、筋肉がこり固まります。また、スマホを見るとき、前のめりにのぞき込むような姿勢になることも、肩や首の筋肉に負担をかけます」(石原先生)
悪い姿勢でスマホを見ることで、本来あるべき首の骨(頚椎)のS字カーブが失われ、まっすぐになってしまう「ストレートネック」の人も増えています。
正常な頚椎は、カーブした形状によって頭を真上で支えることができています。しかし、ストレートネックで頭が前へ出た状態になると、重い頭部を支える首や肩の筋肉に大きな負担がかかり、肩こりや首こりを悪化させる要因に。
ストレートネックは別名「スマホ首」とも呼ばれますが、スマホ以外にも読書や料理など下を向いて行う作業は、ことごとく首に負担をかけ、ストレートネックの一因になります。
さらに、首こりが自律神経に作用して、不調を引き起こす可能性も指摘されています。
「自律神経は脳から全身へ張り巡らされていて、首はその通り道にあたります。首の筋肉がこり固まっていると自律神経のバランスが乱れて、頭痛やめまい、手足のしびれ、不眠といった不調が現れる可能性があります」(石原先生)
こりを「病気ではないから」と放っておくと、思いもよらない症状が出たり治りづらくなったりすることも。早めに対処することが大切です。
*次回は、肩こりや首こりを予防・改善するセルフケアについてお伝えします。
写真/PIXTA