〔特集〕メイドインジャパンの職人技コスメ 日本の化粧品技術力に今こそ注目 日本生まれの優れたスキンケアをご紹介する職人技コスメ特集。第4弾となる今回は、世界中からの信頼を集める日本の研究開発や技術力にあらためてフォーカスし、独自の新知見や革新的テクノロジー、それを支える研究者の信念や情熱など、ものづくりの裏側を取材しました。
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[研究所訪問]
スキンケア市場でトップをひた走る「ロート製薬」の願いと挑戦
ロート製薬 再生医療研究企画部部長 西田浩之さん2004年入社。ドライアイやスキンケア製剤の研究に従事し、アメリカでの皮膚研究や大学との共同研究を経て2016年再生医療部門に異動。2025年4月から現職。
製薬会社ならではのエビデンス重視のものづくり
2022年にドラッグストアを含むスキンケア市場で売上個数1位を獲得、2024年3月期にはスキンケア関連の売上高で国内化粧品第4位になるなど、勢いを増す「ロート製薬」。
2006年に開設した「ロートリサーチビレッジ京都」で再生医療研究とヘルス&ビューティへの応用に取り組む。
化粧品分野への本格参入は2001年、ビタミンCブームを巻き起こした「オバジC」の発売に遡ります。肌本来の機能に着目し、そこにどう作用するかを明確に訴求したオバジは機能性化粧品の先駆け。
明確な機能を備えた化粧品ラインナップ。その裏付けとなるサイエンスを明らかにし、顧客満足につなげる。
「安定配合が難しいピュアビタミンCを高濃度配合するなど、効果にこだわるものづくりは製薬会社が提供できる価値を追求するうえで必然でした」と西田浩之さん。
化粧品の新規素材開発などの基礎研究に従事する基盤技術研究部。活発な意見交換を行い、日々前進。
2013年には再生医療分野の研究をスタート。「命と向き合う大きな挑戦でしたが、難治性の病気で困っている人々を元気にしたいという強い想いが原動力です」。
研究の発展に伴い、その成果をロート製薬のその他の基礎研究に応用。同じ研究施設内という環境が積極的な情報交換に役立っているそう。
表皮層から真皮層までの構造をもつ、生きた皮膚に限りなく近い人工皮膚モデルを開発し、高度な研究を実現。
医療と美容。垣根を越えた情報交換がシナジーを生む
再生医療研究で注力しているのが皮膚脂肪組織に存在する脂肪幹細胞です。
日本で初めて幹細胞を自動培養・保管する装置を開発。幹細胞を用いた医薬品の研究開発に邁進する。
「再生医療への取り組みがスキンケアの基礎研究を発展させます」
さまざまな知見がスキンケア研究において新たな可能性を与えており、最新の研究では脂肪幹細胞の毛細血管の再生力に着目し、潤いやハリを生む力を根本から引き出すコンプレックスを発見しました。
「再生医療の対象は疾患者ですが、スキンケアの基礎研究に応用することで最先端の科学を多くの方に届けることができます。ひいてはそれが再生医療分野を一層盛り上げる一助となるでしょう。ロート製薬は世の中全体のヘルスケアに貢献できる企業となれるよう尽力します」
(次回に続く。
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