「脳を活性化する新拠点を7万坪の広大な森に構想中です」── 増田宗昭さん
ライフスタイルの提案をコンセプトとする「蔦屋書店」を全国展開しているCCCは、軽井沢にも魅力的な複合施設を持っています。2018年開業の「軽井沢書店」と2023年開業の「軽井沢コモングラウンズ」で、2026年には軽井沢駅北口にまた一つ開業予定。
一方で、CCCを次世代の経営陣に任せた増田さんは目下、個人のライフワークとして、志を同じくする仲間とともに新しいプロジェクトに夢中です。
「そのために、2年ほど前から毎週、軽井沢に来ています。四季による変化を味わいながら、自分の内から湧き起こる欲求を見つめ、実践し、『こんな場所があったら』という妄想を書き留める。そんな作業を繰り返しています」
増田さん肝いりのプロジェクトのキーワードは「7万坪の森をつくる」。その森に、世界中の人が集まってつながれる、会員制図書館のようなものをイメージしているのだと話します。
軽井沢の森の中で癒やされ、繫がる体験を
増田さんのいう「7万坪の森をつくる」プロジェクトの舞台となる地。完成が待ち遠しい。
宣教師ショーが開いた地に世界の人が集える場所を
「軽井沢はもともと、カナダ生まれの宣教師(アレキサンダー・クロフト・)ショーが避暑地として開拓したインターナショナルな土地ですから、外国の人にも来てもらって、インスパイアし合ってほしい。世界の人たちに『行ってみたい国』と『もう一度行きたい国』を尋ねるアンケートをしたところ、日本がどちらもトップで、理由の1位が自然、2位が精神性だったそうです。僕らの新しい施設には広大な森があり、日本文化の精神性について学べるような場所もつくる予定ですから、彼らの求めるものと合致しているのではないでしょうか」
約50年前、「軽井沢ベルコモンズ」の立ち上げに奔走した増田さんは、「軽井沢は僕の青春。全精力を注ぎ込んで、世界に誇れるものをつくり上げたい」と力強くいいきります。
「軽井沢ベルコモンズ」の開業を担った増田さん20代の頃(左手前)。
「遠くない将来、AIが世界を一変させるでしょう。でも、それにより、『AIにはできないこと』に人が憧れを持ち、価値がぐっと上がると思います。軽井沢の空気感や人の輪、脳が気持ちよく動き始める感覚は、AIにはつくれない。だから、軽井沢はこの先もずっと、人々の憧れの地であり続けると思います」
そういって、にかっと笑った増田さんの目には、軽井沢の輝かしい未来がはっきりと見えているようでした。
Karuizawa Commongrounds
軽井沢書店 中軽井沢店

「軽井沢コモングラウンズ」の中心に建つ「軽井沢書店 中軽井沢店」。
「蔦屋書店」同様、居心地のいいカフェや雑貨の販売スペースなどもある。敷地内の森にはそば店やワインショップなどが点在。木漏れ日の中、ペット連れで散策を楽しむ人も多い。
Karuizawa Commongrounds
軽井沢書店 中軽井沢店
住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉鳥井原1690-1
TEL:0267(46)8590
(次回に続く。
この特集の記事一覧はこちらから>>)