〔特集〕健康と医療の新しい選択肢 会員制メディカルクラブへ 人生100年時代を迎える中、「健康こそかけがえのない資産」と考えるヘルスコンシャスな人が増えています。その人たちが今、大いに注目しているのが会員制メディカルクラブです。知る人ぞ知る病院直営のメディカルクラブが提供するワンランク上の予防医療サービスをご紹介します。
ワンランク上の予防医療サービスを病院が直営する10のメリット
【メリット1】治療の第一線で活躍する専門医が、かかりつけ医のように健康をサポート病院が直営する会員制メディカルクラブの多くは、人間ドックのサポートに加え、健康に不安があるときや病気になったときにも会員が気軽に受診したり相談できたりする一般診療のサービスを提供しています。また、その際に対応してくれるのは治療の第一線で活躍する各診療科の専門医、しかもベテラン医師です。
現行の保険医療制度では紹介状がなければ大病院を受診できない仕組みの中、知識と経験が豊かな大病院のベテラン医師をかかりつけ医のように頼ることができるのは、まさに病院直営の会員制メディカルクラブならではの特典です。
【メリット2】経験豊富な専門医が最先端検査機器で人間ドックの精度向上をバックアップ症状が出る前の早期に病気を発見するために、病院直営の会員制メディカルクラブでは臨床と一体化した人間ドックサービスを提供しています。精密検査や治療に使用する最先端検査機器を活用するほか、会員制のメリットを生かし、一日の受診者数を限定。各検査にしっかり時間をかけられるよう配慮しています。
また、人間ドックの結果判定に各診療科の専門医がかかわるのも大病院だからこそできること。そして、病気が見つかったときは、人間ドック担当医からすみやかに適切な診療科の専門医を紹介してもらえるワンストップの連携体制が整っているので安心です。
【メリット3】一般の人間ドックでは受けられないエビデンスのある検査を会員限定で提供会員向け人間ドックは一般の人間ドックより検査項目が充実。生活習慣病、がん、心疾患、脳血管疾患にかかわる検査が手厚くカバーされているほか、一般の人間ドックでは受けられない最新の検査を会員限定で提供している施設も少なくありません。
例えば、症状が出るまで見つかりにくい膵臓がん検診や遺伝子検査、AI診断を活用した認知症検査など未病の段階でスクリーニングすることを目的とした検査などです。予防医療をはじめ、各診療分野の専門医たちによって選りすぐられたエビデンスのある最新の検査がいち早く受けられるのも大きなメリットの一つでしょう。
会員制メディカルクラブと一般の人間ドックとの診療の違いとは?
会員制メディカルクラブでは質の高い人間ドックサービスを提供していますが、一般の人間ドックとの大きな違いは予防医療に重点が置かれていることです。
一般の人間ドックが病気の早期発見を目的とするのに対し、会員制メディカルクラブの人間ドックはより精度の高い検査を実施することで未病のうちに発見し、継続的な健康管理で病気にならないようサポートします。
会員制メディカルクラブを経由して一般診療を受ける場合は会員限定の特別外来で対応してもらえることもあり、丁寧な診察を受けられるのが、そうではない場合との大きな違いです。
【メリット4】コンシェルジュサービスによる予約代行、院内アテンドで受診がスムーズかつ快適に病院直営の会員制メディカルクラブの多くは事務局に院内のことをよく知るスタッフを専任で配置し、人間ドックの予約代行はもちろんのこと、外来診療を受診する際の優先予約もすみやかに手配してくれます。
そして、人間ドックを受ける当日や外来診療の受診当日には専属のコンシェルジュがついてエスコートしてくれるので安心です。広い院内を移動するのに迷うことがなく、待たされないように随所において調整してくれるため、落ち着いた気持ちで医療が受けられます。人目につかないようプライバシーに配慮してくれるのも会員制の大きな利点です。
フジタ エグゼクティブ クラブ 羽田では健診専用のエレベーターホールや廊下があり、ほかの利用者と顔を合わせずに検査が受けられる。
【メリット5】オンタイムで待たずに診療を受けられる、利便性の高い予約サービスを実施いずれの会員制メディカルクラブも会員の大半を占めているのはエグゼクティブクラスの方たちです。多忙な毎日が続き、分刻みで動く会員が日常的な健康の不安があるときも効率的に受診できるよう病院直営の会員制メディカルクラブでは、オンタイムで待たずに診療を受けられる予約サービスを用意しています。
その中には当日の予約を受け付ける手厚いサポートを実施するところもあり、このような利便性の高いサービスが提供できるのも、24時間体制で多くの専門医と医療スタッフを揃え、一般診療を行っている大病院の強みです。
【メリット6】24時間体制の電話相談でいつでも安心。家族の健康トラブルにも親身に対応する会員一人一人の健康状態や要望に合わせ、きめこまかなサポートをするために電話による健康相談サービスを提供するのも病院直営の会員制メディカルクラブならでは。
健康相談の窓口業務を担っているのは看護師や保健師などの主に看護職。個々の相談内容や要望に応じてすみやかに各診療科の専門医や管理栄養士など最適な専門スタッフにつないでくれます。また、会員本人だけでなく家族の健康トラブルにも親身に寄り添ってくれて心強いかぎり。
さらに夜間・休日などの急病に対応する専用ホットラインを設けている病院直営の会員制メディカルクラブも多く、いつでも守られている安心感を得られます。
会員制メディカルクラブにかかる費用はどのくらい?
会員制メディカルクラブに入会する際には入会金が必要です。その金額は病院によって異なりますが、一般的に100万~300万円程度といわれています。なかには会員期間が限定されていて更新のたびに入会金がかかる施設もあります。また、年会費も必要で、30万~70万円程度です。
この中には、年1~2回受けられる人間ドックや健康診断の料金が含まれています。そのほか日常的な診療支援や健康支援などのサービスにかかわる費用が含まれることも多いですが、会員ランクを分けている施設では、入会金と年会費によって利用できるサービスに違いがあります。
【メリット7】救急外来とのホットラインで、夜間・休日の急病にもスピーディに対応会員の夜間・休日の急病に備え、さまざまな形で24時間安心サポート体制を整えているのも病院直営の会員制メディカルクラブの大きな特徴の一つです。会員からの第一報をオンコール代行業者が受ける施設も少なくないですが、連絡を受けた後は、看護師や当直医らが症状を聞き取り、緊急を要する場合は救急外来を受診できるよう手配してくれます。
会員の医療情報は電子カルテで共有され、カルテを見れば救急医にも会員であることがわかるようになっていて、主治医がいる場合は必要に応じて連絡を取り合い、スピーディに対応してくれるので身内に医師がいるような頼もしさがあります。
【メリット8】メディカルサポートを受けながら、安全かつ効果的な運動に取り組める運動サポートを提供するクラブは少なくなく、これもメディカルフィットネス施設を併設し、理学療法士や健康運動指導士を雇用する病院直営だからこそ取り組めるサービスです。
運動サポートでは、会員の目標に合わせて作成したオリジナル運動プログラムのもと、専門スタッフがマンツーマンで指導するスタイルが主流です。減量を目的とする場合は管理栄養士による食事アドバイスが受けられるのもメリット。高血圧症や肥満、心疾患、運動器疾患といった持病を抱えている会員が運動を始めるときは循環器内科医やスポーツドクターなどがメディカルチェックをしてくれることも多く、安全に運動できる配慮も行き届いています。
北野病院本館5階には最上階から光が降り注ぐ吹き抜けのラウンジ「プラナホール」があり、患者のためのコンサートなどを催している。
【メリット9】プライバシーが確保された上質な空間で病院にいることを忘れるほどくつろげる会員向け人間ドックを受ける際には、ほかの利用者と顔を合わさずに待ち時間を過ごせるよう専用個室が用意されます。病院と一体化した人間ドック施設で宿泊ドックを受ける場合は、入院病棟の特別室を利用できることが多く、プライバシーが確保された上質な空間でゆったりくつろぎながら検査を待っていると病院にいることを忘れてしまいそうに。
食事サービスに力を入れる施設では病院の強みを生かし、管理栄養士とホテルやレストランのシェフがコラボした健康メニューが提供されることもあります。一般の人間ドックよりもワンランク上のサービスが受けられるのは会員だけの特典です。
聖路加メディローカスの内装は、聖路加の伝統をイメージしたレトロスペクティブ・モダン。写真を展示し聖路加の歴史を紹介する。
【メリット10】専用ラウンジの利用、個室料の優遇など会員だけの特別なサービスが充実病院直営の会員制メディカルクラブでは、自院をより快適に利用してもらうために、そして、日々の健康を手厚くサポートするべくさまざまなサービスの充実を図っています。
一般診療を受ける際には、混み合った外来で待たなくていいように会員専用のラウンジを設けている施設や入院時に個室を希望する場合、会員特典のある施設も。セカンドオピニオンへの相談を無料で優先的に受けられるサービスや保健師が健康データをモニタリングしてアドバイスをくれるサービスもあります。会員限定の特別なサービスがさらに健康への安心と医療への信頼をもたらしてくれます。
会員制メディカルクラブは何歳から加入できる?
入会年齢を明示していない施設が多いですが、対象としては人間ドックサービスを利用できる成人かつ生活習慣病や三大疾病のリスクが高まる40歳以上の人が想定されています。実際に多くの施設では入会者の年齢ピークは健康意識がより高まる50~60歳代です。
人間ドックの受診年齢には上限がないため、年齢制限を明示している施設は少ないです。健康寿命の延伸を目的とする予防医療では、高齢者が人間ドックを受けるのは自立を阻む要因となる疾病(脳血管疾患、骨折、がん、運動器疾患、認知症など)の早期発見と対応に役立ち、意義があると考えられています。
※次回へ続く。
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