吉備津彦と、彼を見守る3人の家来衆。右から、留玉臣命役の財木琢磨さん、楽々森彦命役の田中刑事さん、吉備津彦役の増田さん、犬飼健命役の島田高志郎さん。最初はヒールの雰囲気を纏いつつ、物語が進むにつれ、仲間の絆と温かみを感じさせた。
この『氷艶 hyoen 2025 -鏡紋の夜叉-』がアイスショーにおける名作の一つとして、おそらく今後も語り継がれていくであろう作品に昇華されたのは、音楽を担当したSUGIZOさんの力もかなり大きかったのではないでしょうか。公演前、SUGIZOさんにインタビューさせていただいた際、「アーティストとして心からリスペクトしている堤 幸彦監督とお仕事をご一緒することは、四半世紀に及ぶ悲願でした。アイススケートという表現方法で堤監督と共に作り上げていくこのロックオペラは、音楽における自分の集大成になるのではないか」とクールな口調ながらもアツく語っていたのが忘れられません。
数曲、演奏する姿が見られたら眼福と思いきや、とんでもない。公演中の7割くらいは舞台に立ち、ギターやヴァイオリンを奏でていた姿から、レジェンドの本気度が深く伝わりました。
舞台に立ち、圧巻のパフォーマンスを繰り広げるSUGIZOさんの上からは吉備津彦役の増田さんが降り立ち、背後には悪を象徴する闇呑神として映像出演した市村正親さん。なんとも濃いワンシーンだが、目を奪われたのはここだけではなかった。見どころ満載の3時間。©氷艶hyoen2025