フィギュアスケート

記憶に残る氷上ロックオペラ—— 高橋大輔さん、増田貴久さんW主演『氷艶 hyoen 2025 -鏡紋の夜叉-』

2025.07.11

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フィギュアスケート愛(eye) 

『家庭画報』の「フィギュアスケート」特集を担当する、フリー編集者・ライターの小松庸子さんが独自の視点で取材の舞台裏や選手のトピックスなどを綴ります。バックナンバーを見る>>>

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W主演を務め、「温羅」役を演じた高橋大輔さん。責任感があり、心優しき青年がなぜ鬼となったのか。前半の純朴で無邪気な時代から、悲しみを秘めた表情が切ない後半まで、目が離せない演技だった。

フィギュアスケートと日本文化のコラボレーションがコンセプトであるアイスショー『氷艶』。2025年7月5日から7日、その4作めとなる『氷艶 hyoen 2025 -鏡紋の夜叉-』が、横浜アリーナにて5公演行われました。

レジェンドスケーター、高橋大輔さんを主役に、歌舞伎、「源氏物語」、「銀河鉄道の夜」を題材としてきた『氷艶』ですが、今作のモチーフは高橋さんの故郷、岡山の昔話「桃太郎」の元になっている「温羅伝説」。

「昔話がベースということは、今回はほっこり系?」と思いながら伺った3月の記者会見で、それが大きな勘違いだったことを思い知らされ、どんな内容になるのか期待が高まっていたわけですが、実際に拝見すると、すべてが想像をはるかに超えた、強烈なメッセージを放つ壮大な作品に仕上がっていました。


「桃太郎」は、桃太郎が仲間を従えて鬼を退治し、ヒーローになった物語とされていますが、果たして本当にそうだったのか。この世はそんなにシンプルな善悪、勧善懲悪なのか。ある側から見たら正義でも、逆の立場から見たら悪なのではないか。まさに今の世界の縮図が氷上にありました。
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「吉備津彦」役の増田貴久さん。3月の記者会見時には「スケートはまったく滑れませんが、ローラーブレードは得意なので、その感覚を生かして頑張ります」と語っていたが、見事なスケーティングを披露。

撮影/麻生えり 構成・文/小松庸子

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