ジュエリー見聞録 8月 宝石史研究家・山口 遼さんの解説で、素晴らしいジュエリーとその見どころをお届けします。
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日本の女性に寄り添う繊細で華やかなデザイン
解説/山口 遼(宝飾史研究家)
ジュエリーのデザインの中には、小柄なパーツをデザインして、それを数多く一緒に使うことで作品とするものがあります。この場合、パーツそのもののデザインと、それを並べた時のデザインを合わせるのが非常に難しい。そのためこの種の作品は意外と少ないものです。
この「TASAKI」の新作、違うサイズの円環を途中で切って繫ぎ合わせたような、一見すると花模様にも見える少しずつ違うパーツを作り、その上に飾りとして、ダイヤモンドを埋め込んだところとプレーンなところを絶妙に混ぜた、シンプルに見えながらよく見ると複雑な構成のデザインのもの。
その枠の中に8ミリから3・5ミリまでのサイズの異なる真珠を入れてあるところが、いかにもTASAKIらしい。複雑な構成ながら、つけると意外とすっきりしたネックレスですが、これは実際に使うとなると難しいネックレスです。長さがピッタリとしていないと、つけない方がいい。そのために長さを調節するための小さな輪を繫いだパーツが後ろについています。これを調整することで、素肌につけた場合でも、衣服の上につけた場合でも、違和感なく使えます。
このネックレスの名前は「チャンツ」、聖歌という意味ですが、最近のジュエリーはとかく大きめな宝石を使い大胆な作りのものが多い中で、日本の女性のサイズと体型にぴったりとした大きさの、いかにも日本らしい、本当に素晴らしい名作だと思います。
ホワイトゴールドの花モチーフをリズミカルにあしらってランダムに、ホワイトゴールドにダイヤモンドをパヴェセッティング。パールとダイヤモンドの煌めきで、あらゆるシーンを華やかに彩ります。全長約47センチ〈アジャスター7センチ含む〉「チャンツ ダイヤモンド パヴェ ネックレス」605万円 「チャンツ ダイヤモンド パヴェ イヤリング」220万円(ともにWG×あこや真珠×ダイヤモンド)/ともにTASAKI
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TEL:0120-111-446