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難読名字「奴留湯」、あなたは読めますか?姓氏研究家が名字の由来を解説

2025.08.25

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:奴留湯(ぬるゆ)

熊本県阿蘇地区から大分県にかけて、「奴留湯」という珍しい名字があります。

「奴」は音読みが「ド」、訓読みが「やっこ」ですが、カタカナの「ヌ」やひらがなの「ぬ」のもとになった漢字でもあり、「ヌ」という読み方もあります。

「留」は「る」、「湯」は「ゆ」ですから、「奴留湯」と書いて「ぬるゆ」と読みます。


漢字の読み方通りのため難読とは言い難いですが、かなり読みづらい名字ではあると思います。

さて、「ぬるゆ」とは文字通り温度が低くてぬるい温泉のことでしょう。

阿蘇の小国町北里には温度が低かったことに由来するという「奴留湯温泉」があります。湯船のお湯の温度は36~37度とぬるめです。ここは、武家の使用人である奴(やっこ)が、旅の疲れをとるために留(とど)まる湯であることから「奴留湯」と書くそうです。

この他にも、大分県の由布市にはかつて温湯(ぬるゆ)村という地名があり、戦国大名大友氏の家臣に怒留湯氏(奴留湯とも書く)がいたことが知られているなど、温泉の豊富なこの地らしい名字といえます。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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