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伝統技術の融合が生み出すモダンなうちわ。藍染めが涼やかな風を呼び込む

2025.07.01

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〔特集〕[香川・岡山・広島・愛媛]初夏の海街へ 瀬戸内ブルーに涼を求めて 瀬戸内にはいくつもの「特別」があります。穏やかな海に島々が浮かぶ大らかな絶景、取れたての夏の美味、人気ホテルの眺めのいい部屋、神宿る清浄なるパワースポット……。たくさんの魅力の中から、厳選してお届けします。俳優・松下奈緒さんの倉敷美観地区の旅もお楽しみください。前回の記事はこちら>>

特集「瀬戸内ブルー」の記事一覧はこちら>>>

天然藍をまとった丸亀うちわ
Tonbiii(トンビ)【香川 丸亀】

竹うちわの国内シェア約9割を占める香川県丸亀市。江戸時代に、金毘羅参りのお土産として、丸亀藩が地場産業に発展させたのが原点です。

この一大産地で、丸亀うちわと本藍染めという2つの伝統技術を融合したものづくりを行っているのが「Tonbiii」。工房には、48色あるとされる藍色で涼を表したモダンな作品が揃います。


瀬戸内ブルーを映した工芸

心まで涼しくしてくれる「丸亀うちわ」。その起源は慶長年間(1600年代)に遡る。形や図柄は雅やかで多彩だ。瀬戸内らしい青うちわもある。

オーナーで職人の清水雄高さんは、「藍染めのブルーはエネルギーを授ける色。その強い色と、出身地の丸亀の名産であるうちわを結びつけ、時代と自分のフィルターを通して新しい工芸を生み出したいと思いました」と工房を開いたきっかけを話してくれました。

清水さんの藍染めは、「灰汁(あく)発酵建て」と呼ばれる昔ながらの技法を採用。手間と時間が非常にかかるが、自然に寄り添う方法を選んでいる。骨になる竹をはじめ、すべて天然素材を使用するこだわりも。奥から5500円、8800円、5500円。

「うちわの語源は、“うち払う” で、風を起こして払い清める縁起のよいもの。夏だけではなく、ぜひ日常にもっと愛用してほしいです」。

トンビ
住所:香川県丸亀市西平山町231-2
TEL:090-4060-0420
営業時間:13時~18時
定休日:月曜

丸亀城内で伝統工芸士にうちわ作りを習う

平成9年に国の伝統的工芸品に指定された丸亀うちわ。翌年から、職人を育成する講座が始まりました。その講座を卒業した伝統工芸士から、気に入った地紙を骨に貼る工程を学べる体験があります(1本1000円)。

彼らが手作りした、多彩な作品の購入も可能です。

うちわ工房 竹
住所:香川県丸亀市一番丁城内
TEL:0877(25)3882
営業時間:9時30分~16時30分
定休日:無休

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『家庭画報』2025年07月号

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撮影/森山雅智 取材・文/小倉理加

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