カルチャー&ホビー

「八月一日」、あなたは読めますか?稲作の国らしい神事と関係があります

2025.08.01

  • facebook
  • line
  • twitter

墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:八月一日(ほづみ)

以前紹介した「四月一日」と同じく、月日だけでできた名字です。

ネット上にはこうした月日名字がたくさん紹介されていますが、実際には「四月一日」と「八月一日」の2つしか実在しません。

さて、名字が誕生した頃は今と違って旧暦ですから、8月1日は現在の9月上旬頃となります。


この頃は米の収穫時期であると同時に、台風が日本列島を襲う季節でもあります。

大雨による増水で堤防が決壊し、農作物に被害が出ることも珍しくありません。

そこで旧暦の8月1日には稲の穂を摘んで神様に供え、台風の被害にあわず米が豊作となることを祈願する、という行事がありました。

この「穂をつむ」ということから、「八月一日」と書いて「ほづみ」と読む名字が生まれたのです。

「八月一日」さんはこうした神事に関わった人が名乗ったものなのでしょう。

現在は各地に点々とあり、とくに関東から東北南部にかけて集中しています。

なお「ついたち」のことは「朔日」とも書いたことから、現在は「八月朔日」と書くことが多くなっています。

さらに、茨城県のつくば地方では読み方が「ほぞみ」と変化していることもあります。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

セブンアカデミーで越智まみさんの「オンライン書道」墨アートレッスンが開催中。詳細はこちらから>>
  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2025 / 12 / 08

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

家庭画報ショッピングサロンのおすすめ
※外部サイト(家庭画報ショッピングサロン)に遷移します。 ※商品の購入には家庭画報ショッピングサロンの会員登録が必要です。

Pick up

注目記事
家庭画報ショッピングサロンのおすすめ
※外部サイト(家庭画報ショッピングサロン)に遷移します。 ※商品の購入には家庭画報ショッピングサロンの会員登録が必要です。
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2025 / 12 / 08

他の星座を見る