
肉の中でも、薬膳的に夏におすすめしたいのは豚肉。体を潤して熱を取り除く効果があるので、暑くて体に熱がこもったときによいのです。補気、補腎の効能もあり、疲労回復によいビタミンB1が多く含まれているので、夏バテ解消にもぴったりですよ。

豚汁は最強の美肌食です。豚肉と豆腐で動物性と植物性のたんぱく質が補えますし、根菜類やこんにゃくで食物繊維もしっかりとることができます。味噌は発酵食品なので腸内環境が整い、七味とうがらしやしょうがをプラスすれば血流もアップ。一品で栄養がしっかりとれる、まさに完全栄養食!
豚汁は寒い季節のイメージがありますが、夏は胃腸が弱りやすく、冷房や冷たいものの取りすぎで体が冷えて不調を引き起こすこともあるので、実はこの時期にこそおすすすめしたい一品なのです。
1年間続いた連載も今日で最終回です。ご愛読いただきまして、ありがとうございました。今年は薬膳をテーマにしたドラマが大ヒットしたこともあり、薬膳や漢方への注目が高まり、私の著書を愛読してくださる方も増え、大変うれしく思っています。とても奥が深いテーマですが、難しく考えず、食材の持つパワーを知って、楽しみながら自分をいたわる“養生生活”をスタートするきっかけになれたら…こんな嬉しいことはありません。
久保奈穂実(くぼ・なおみ)
国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。ハードな生活で身体のバランスを崩した際に漢方薬に助けられた自身の経験から興味を持ち、中医学と薬膳を学ぶ。現在、成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行っている。著書に『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』(ともに世界文化社刊)。SNSで発信するやさしい養生知識や、簡単薬膳レシピも大好評。X:@naominkubo /Instagram:@naomin_yakuzen
レシピ、食材の薬膳・漢方知識、ツボなど「365」の情報を掲載した大人気シリーズの第2弾。今回は身近な食材で簡単にできるスープ、ドリンクのレシピに特化した内容です。液状の食事は消化に優れ、吸収率も高いので養生食としてぴったり。
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※この記事は、久保奈穂実『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』を再構成しています。