引退後、7年ぶりの登場。作品指導への熱き想い オーストラリア・バレエ団による15年ぶりの日本公演『ドン・キホーテ』が、5月30日に開幕します。古典バレエの中でも抜群の人気を誇る、南国スペインを舞台にした華やかで情熱的な物語を、伝説のダンサー ルドルフ・ヌレエフ(1938-1993年)がオーストラリア・バレエ団のために1970年に振り付けた傑作プログラムで上演します。
チームを率いる芸術監督は“バレエ界の貴公子”として多くのバレエ・ファンを魅了してきた世界屈指のダンサー、デヴィッド・ホールバーグさん。そして、彼からの直々のオファーに応えて、ゲストコーチとして作品指導にあたったのが“伝説のプリマ・バレリーナ”シルヴィ・ギエムさんです。
主役キャストであるプリンシパル・アーティストの近藤亜香さんとチェンウ・グオさんと共に記者会見に登壇しました。
●関連記事を読む 世界屈指のダンサーから芸術監督へ。デヴィッド・ホールバーグさんが挑む、オーストラリア・バレエ団、15年ぶりの来日公演 指導者として大きなインパクトをバレエ団へ与えるシルヴィ・ギエムさんの“情熱”を速報でお届けするとともに、レジェンド揃いで大注目の『ドン・キホーテ』の魅力に迫ります。
記者会見後の公開リハーサルにて。左から、デヴィッド・ホールバーグさん、ダンサーのマーカス・モレリさん、ジル・オオガイさん、シルヴィ・ギエムさん。2015年の引退以来、ギエムさんが日本での記者会見に応じるのは約7年ぶり、さらにリハーサルの様子を日本で公開するのは初めて。
デヴィッド・ホールバーグさん(以下、ホールバーグ)は貴重な取材の機会に集まった多くのメディアを前に「バレエという芸術に対して、これほど敬意を払ってくれる国は、日本の他にはないと思っています。なので、日本で公演できることを本当に嬉しく思います」とにっこり。
さらに「彼女(シルヴィ・ギエム〈以下、シルヴィ〉)は、数多くの作品をルドルフ・ヌレエフ(以下、ヌレエフ)と一緒に作ってきたレジェンドです。
芸術監督や振付家というのはダンサーを型にはめようとしがちですが、彼女の指導はダンサーがそれぞれの個性を生かし、自分らしくあることを許し、尊重しながら進んでいきます。そんな彼女の在り方がダンサーに伝わっていることを、私は非常に魅力的に思っています」と、今回の豪華なタッグに大きな手ごたえを感じているよう。
記者会見でのシルヴィ・ギエムさん。
シルヴィさんはお茶目なユーモアを交えて「昔、少しばかりダンスを踊っていた者です(笑)。隣にいる“クレイジーな方”が一緒に手伝ってほしいということで、今回このように日本に来ました」と挨拶。
ヌレエフ版については、「オーストラリア・バレエ団がヌレエフの作品を上演するということで、彼の知性や賢さがきちんと反映されるだろうと感じました。ヌレエフは非常に知恵のある、舞台への大きな愛のある方。バレエを演出するために知性は重要で、彼はいつもではないですが(笑)ユーモアも多く、ウィットに富んだ方だったので、そういったところが作品に出ていると思います。
そして、ヌレエフ版はダンサーたちのポテンシャルを引き出す大きな可能性を持っています。ただ踊るだけではなく、例えばダンサー自身がちゃんとお芝居をする余白を与えてくれたり、キャラクターをどのように作ればいいのかを自由に探させてくれるのがヌレエフ版だと思います」と語りました。
真に踊りを楽しむこと、なぜ踊るのかを知ること 記者会見でのシルヴィ・ギエムさん。
「シルヴィさんにとって教えるということは?」という質問が会場からあがると、「素晴らしい舞台に必要なことは、テクニックだけではなく、ダンサーが踊ることに心地よさを覚えながら、楽しんで踊ることも大切です」と前置きをしてこう答えてくれました。
「ダンサーが役を作る過程の大変さは私が一番わかっていますが、それでも楽しんでほしいですし、私の役割は“ダンサーがどういう人間であって、何を引き出すことができるのか”を考えて指導することです。そうしてダンサーたち一人ひとりが進化していくのを目撃できるのは何物にも代え難い喜びだと思っています」。
シルヴィの熱き情熱と大きな愛に導かれ、いよいよ幕を開けるオーストラリア・バレエ団『ドン・キホーテ』。その感動を、ぜひ劇場で目撃してください。
右・近藤亜香さん(キトリ役 / オーストラリア・バレエ団プリンシパル)「シルヴィからテクニックについては一度も言われたことがなく、いつも役としてどう生きるか、どうお客さんに伝えるかを重視しながら指導していただきました」。左・チェンウ・グオさん(バジル役 / オーストラリア・バレエ団プリンシパル)「シルヴィの指導は技術も精神も高めてくれるものでした」。
公開リハーサルにて。
記者会見・リハーサルの写真を「秘蔵フォトギャラリー」で見る>> シルヴィ・ギエム/Sylvie Guillemフランス・パリ出身。“100年にひとりの天才プリマ”といわれ、数々の伝説を残したバレエ界のスーパースター。1981年にパリ・オペラ座バレエ団に入団し、1984年にはわずか19歳で同バレエ団史上最年少のエトワールに昇進。1989年にロイヤル・バレエ団に移籍し世界で活躍。2015年に引退公演「Life in Progress」で華々しく舞台を去る。主な受賞歴はヴァルナ国際バレエコンクール金賞、フランス国家功労勲章、イギリス名誉司令官勲章(CBE)、日本の高松宮殿下記念世界文化賞など。
Information オーストラリア・バレエ団2025日本公演「ドン・キホーテ」 2025年5月30日~6月1日/東京文化会館 S席/2万4000円 A席/2万1000円 B席/1万8000円 C席/1万5000円 D席/1万2000円 E席/9000円 U25シート/4000円 お問い合わせ/NBSチケットセンター 03-3791-8888https://www.nbs.or.jp/stages/2025/australia/ シルヴィさん登場!スペシャルプレトーク 5月31日(土)ソワレの公演では、開演前に「デヴィッド・ホールバーグ×シルヴィ・ギエム スペシャルプレトーク」が開催される予定。詳細はこちら>> ※対象の公演チケットをお持ちの方のみ参加可能。対象公演/『ドン・キホーテ』5月31日(土)18:30開演。
「NBS/日本舞台芸術振興会」の公式YouTubeでは二人のインタビューも公開中!
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