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[厨子屋]心の安寧を求めて精神の器「HAKO」、 パリへ

2025.06.02 | PR

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今年4月3日から27日まで、パリ・マレ地区の「オガタ・パリ」のギャラリーにて、仏壇仏具メーカー「アルテマイスター」のアンテナショップ「厨子屋」による展覧会「HAKO」が開催されました。宗教や文化の枠を超えて心の安らぎを見つめ直すこの試みは、現代における厨子の新たな在り方を語りかけます。

新しい祈りの形を提案する「厨子屋」とは?→


「厨子は、宗教の枠を超えた心のよりどころです」
保志康徳さん(アルテマイスター 代表取締役社長)

保志康徳さん(アルテマイスター 代表取締役社長)

展覧会場に立つ保志さん。「厨子は容れ物であると同時に、向き合う人の心を映す鏡でもある」と話す。

「HAKO」展の会場として選ばれたのは「オガタ・パリ」。17世紀に建てられた貴族の邸宅を改装したこの建物には、ギャラリーのほか、茶房や酒房、和菓子ブティックなどがあり、日本の文化や感性を体現する場としてパリ市民の関心を集めています。パリの歴史が色濃く残るセーヌ川右岸、マレ地区に建つ「オガタ・パリ」。ドアの内側には3層吹き抜けの空間が広がる。

パリの歴史が色濃く残るセーヌ川右岸、マレ地区に建つ「オガタ・パリ」。ドアの内側には3層吹き抜けの空間が広がる。

展覧会名の「HAKO」とは、大切なものを納める箱、すなわち厨子のこと。内にお位牌などを安置するだけではなく、想いや祈りを映し出す存在として見直すことが、今回の趣旨となっています。

会場構成を手がけたのは、オガタ・パリのオーナーであり、これまでもアルテマイスターと共同でものづくりを行ってきたデザイナーの緒方慎一郎さん。1階には陶芸家の伊藤慶二さんによる高さ5メートル超のインスタレーションを中心に、緒方さんが手がけた厨子が3基展示されました。1階には、緒方さんとアルテマイスターの協業によって生まれたデザイン性の高い厨子を、ゆったりと配置。精神的なものを映す日本の箱の文化に焦点を当てた展示となった。

1階には、緒方さんとアルテマイスターの協業によって生まれたデザイン性の高い厨子を、ゆったりと配置。精神的なものを映す日本の箱の文化に焦点を当てた展示となった。

そして中2階では、インテリアデザイナー内田 繁さんの名作仏壇「白虹」をはじめ、アルテマイスターが世に送り出した数々の厨子が、時の流れを抱くようにゆったりと並びます。吹き抜けに面した中2階には、日本のアーティストたちが制作した、かたちも大きさもさまざまな厨子が並ぶ。

吹き抜けに面した中2階には、日本のアーティストたちが制作した、かたちも大きさもさまざまな厨子が並ぶ。

本展は今年から3年間、春と秋の全6回、「真・行・草」をテーマに開催され、今春は「真」をテーマに、日本の伝統と精神文化を丁寧に映した作品群が、訪れる人々の心をとらえました。

「祈りとは、幸せを願うこと」。そう語るのは、同社代表取締役社長、保志康徳さん。次のページでは、展覧会の舞台裏と厨子に託した想いについて、保志さんの言葉をご紹介します。

撮影/武田正彦 本誌・坂本正行 スタイリング/梶井明美 構成・取材・文/冨部志保子

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