藤野幸信さんのブーケ&アレンジ「初夏の花木を飾る・贈る」第5回 夏に咲く花木を使ったブーケやアレンジを「フルール トレモロ」の藤野幸信さんが提案。ご自宅に飾るもよし、大切な方へ贈るもよし、また6月に出回るものは、父の日の贈り花にしても喜ばれるでしょう。
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スモークツリー
ほかの花にはないふわふわ感が独特の個性になる
6月に入り住宅街を歩いていると、スモークツリーの存在に気がつきます。木全体を包み込むようなふわふわの花が咲くからです。まるで煙が立っているように見えることから和名はケムリノキ。
切り花でこれほどふわふわした花はほかに見当たらず、それだけにふわふわをつぶさないようにブーケやアレンジに利用したいもの。遠方から箱詰めで届くものは移送中につぶれてしまうことも多いので、スモークツリーはできるだけ地元産を入手するようにしています。
スモークツリーのふわふわの中にバラやシャクヤクを挿すと、花の輪郭が少しぼやけ、どことなく幻想的な雰囲気になります。それもスモークツリーを使う醍醐味ではないかと思います。ご自宅にスモークツリーを植えていたら、ぜひ鮮度の高いとびきりのふわふわを飾って楽しんでみてください。
スモークツリーには白花と赤花があり、白花は白〜緑、赤花は濃淡のグラデーションがとても美しい。
■ウルシ科の落葉高木
■別名:ケムリノキ
■庭で咲く時期:6月〜8月
■切り花の出回り時期:5月中旬〜6月下旬
■水揚げの方法:茎の切り口をハサミで十字に裂き、炭化するまで火であぶり、深めの水に浸ける。
Bouquet
同色のスモークツリーとリシアンサス。上品で幻想的な雰囲気のブーケに

赤系のスモークツリーに、同じような花色のリシアンサスを合わせたブーケ。アクセントに少し青みのあるバラを加えて。ブーケ全体の輪郭が少しぼやけて、幻想的な雰囲気に。小さな粒々が愛らしいセアノサスも花木で、少量ながらこの時期に出回る。
■使用花材/スモークツリー、リシアンサス「NF モカピンク」、アルケミラモリス、バラ「ウエストミンスターアビー」と「ブルーグラビティ」、セアノサス「マリーサイモン」など。
Bouquet
ボリューム感のあるシャクヤクをスモークツリーが軽やかに見せる

2種のシャクヤクとデルフィニウムの花穂。どちらもボリューム感があるが、淡い緑色のスモークツリーをたっぷり加えると軽やかに見える。どなたにも好まれる色合わせなので、父の日の贈り花にもおすすめ。
■使用花材/スモークツリー、デルフィニウム「ラベンダーサファイア」、シャクヤクの「エッチドサーモン」と「かぐや姫」、アルケミラモリス、フランボワーズなど。
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