藤野幸信さんのブーケ&アレンジ「初夏の花木を飾る・贈る」第2回 夏に咲く花木を使ったブーケやアレンジを「フルール トレモロ」の藤野幸信さんが提案。ご自宅に飾るもよし、大切な方へ贈るもよし、また6月に出回るものは、父の日の贈り花にしても喜ばれるでしょう。
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アジサイ
フレッシュとアンティーク。2つの魅力が楽しめる
ガクアジサイとヤマアジサイは日本原産の固有種で、それをもとに育種されたボール状の花房の西洋アジサイが枝ものとしてよく出回ります。
庭で咲くより少し早く、4月下旬から出回るのは「フレッシュ」と呼ばれるタイプで、鮮やかな花色が魅力です。
もう一つ、6月中旬から秋まで花色が少し褪せたアジサイも出回ります。アンティークアジサイ、クラシックアジサイなどと呼ばれ、ニュアンスのある落ち着いた花色が美しく、とても人気があります。花色がくすんできても切り落とさずに残すと、アンティークアジサイになるのですが、気温や降雨量が花色の変化に大きく影響するため、露地栽培では難しく、ハウスで管理されます。
アジサイは日本人にとってなじみ深い花です。6月の第3日曜の父の日の前には、フレッシュとアンティークの両方が出回るので、ぜひ父の日の贈り花に利用してみてください。
少し褪せた花色が落ち着いた雰囲気の「西安クラシックブルー」。
■アジサイ科の落葉低木
■別名:七変化(しちへんげ)、四葩(よひら)
■庭で咲く時期:5月下旬〜7月
■切り花の出回り時期:4月下旬〜6月下旬
■水揚げの方法:切り口を熱湯に浸した後、斜めにカットし、茎の中のわたを取り除く。
Arrangement
鮮やかなブルーが映えるフレッシュアジサイのアレンジ

見惚れるほど美しいブルーのフレッシュアジサイの花色を生かすために、合わせる花や葉には控えめの色を選んで。ランのミルトニジウムがアクセントになり、個性的な雰囲気に。父の日の贈り花にもおすすめ。
■使用花材/アジサイ、リンドウ「ながの超極早生」、ミルトニジウム「クレオズプライド」、ブラックベリー、アップルミント、ローズマリーなど。
Bouquet
アジサイ3種を束ねてボリューム感のあるブーケに

フレッシュアジサイ2種とアンティークアジサイ1種を束ね、ボール状のブーケに。このふんわりしたボリューム感は花房が大きなアジサイならでは。パーティの際に手渡ししたい洒落た雰囲気。
■使用花材/アジサイの「ユー&ミートゥギャザー」と「マジカルノブレス ライトグリーン」と「クリスタルクラシックブルー」。カシス、アップルミント。
「島根県アジサイ研究会」が育種した鮮やかなピンクのアジサイ「茜雲」。鉢ものとして出回るが、小ぶりな花房が使いやすく、カットしてブーケやアレンジに利用。奥の淡いブルー系も同会のオリジナル品種「銀河」。
Bouquet
淡いブルー×ピンク。アジサイだけでも華やかに

アジサイ「銀河」と「茜雲」をボール状に束ねて。ブルー系とピンクは、優雅な雰囲気を表現するのにおすすめの色合わせ。また花の大小がブーケにメリハリを与えてくれる。明るい葉色のゼラニウムを加えてフレッシュな印象に。
■使用花材/アジサイの「銀河」と「茜雲」、ヤグルマギク、ゼラニウム。
Arrangement
アジサイとバラ。花形の違いが際立ちます

アジサイ「茜雲」は花房が小ぶりでちょうど大輪のバラと同じくらいのサイズ。花色も似ているバラ「シルバピンク」と合わせると、花形の違いがよくわかり、変化のあるアレンジになる。よく似たピンクでも花形が異なるクレマチスをアクセントに加えて。
■使用花材/アジサイ「茜雲」、バラ「シルバピンク」、クレマチス「天使の首飾り」、アップルミント、グリーンフレークゼラニウムなど。
Arrangement
テーブルにも季節感を。アジサイのリースアレンジ

アジサイの「茜雲」と「銀河」を使ってテーブル置きのリースに。リース形のフローラルフォームを利用すると手軽に作れる。中央の穴に花びんを置き、そこにも「茜雲」を挿して。この季節のほかの花を挿しても楽しめる。
■使用花材/アジサイの「茜雲」と「銀河」。
※次回へ続く。
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