あなたの周りにはいますか？7割が“ある県”に集中している、珍しい名字「長友」

名字365　姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも？知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら＞＞

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長友（ながとも）

「長友」という名字はサッカーファンでなくてもおなじみだと思います。では、自分の周りに「長友」さんがいる、という人はどれくらいいるでしょうか。

実は「長友」は宮崎県では名字ランキングの第6位という極めて多い名字である一方、宮崎県以外ではあまりいません。「長友」さんの7割程は宮崎県に集中しているのです。

隣の鹿児島県ではある程度みられるものの、それ以外の都道府県ではかなり珍しい名字となっています。両県以外で「長友」さんに出会ったら、「宮崎県の出身ですか？」と尋ねるとかなり高い確率で当たると思います。


では、「長友」のルーツは何かというと、はっきりしていません。

宮崎県では、戦国大名土持氏の家臣にも長友氏の名がみえるなど、古くから力を持っていたのですが、由来は判然としないのです。

岐阜県大垣市に、かつて美濃国安八郡長友郷という地名がありました。ここは古代豪族の大伴氏が開拓したところで、地名も「大伴」だったのですが、のちに「長友」に変わったと伝えています。

宮崎県の「長友」が、この「長友」と関係があるのかどうかもわかりませんが、「長友」という名字のルーツを探る1つの手がかりにはなりそうです。

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森岡浩／Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

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