〔特集〕東京・京都・大阪&全国各地から厳選 いま訪ねたい “鮨” の新名店 世界中の美食家たちが、鮨を楽しむ旅の目的地としてこぞって日本を訪ねる時代。職人の技が冴える鮨を私たちが本当に心地よく味わえる、新たな名店を厳選してご案内します。
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技に価格に “良心” が宿る精鋭店へ
味よし、人よし、雰囲気よし。そして価格も良心的。鮨を味わう本来の「喜び」をもたらす東西の佳店へ、春から初夏の旬を味わいに出かけましょう。
すし さとる(東京・恵比寿)
心を摑む目利きのまぐろとなすのにぎり
手前左から背の中とろ、赤身、大とろ。奥が「藤田巻」、車海老の唐子づけと赤貝。手前はご自慢のまぐろを部位違いで。明るいご主人のもと、お店は終始笑顔に溢れる。
なすのにぎりの “おいでなす” に始まり、あんこをにぎったおはぎ風の1かんで終わる独自のスタイルで人気の一軒。
“おいでなす” はなすの揚げ浸しをにぎったもの。
“アンコール” は自家製のあんこのにぎり。ごまをまぶし、旬の果物をのせた1かん。今月はいちご。駄洒落にひっかけたご主人のおもてなしの心が映える。
五角形のカウンターも独特な店内は、ご主人・荒木 悟さんの気さくな接客でいつも和やか。威圧感は皆無です。京料理店での修業時代は料理人とボクサーの二足の草鞋だったご主人ですが、麻布十番の「秦野よしき」に入ってからは鮨一筋。
2023年に27歳で独立し、2024年夏にはより広い店舗へ移転を果たした、今、勢いのある鮨職人の一人です。
そのご主人が惚れ込んだのがまぐろ仲卸「藤田水産」の本まぐろ。曰く「藤田さんが扱うまぐろは柔らかくてきめが細やか。香り高くうまみも強く感じます」と大絶賛。
筋や赤身の端などまぐろの各部位を搔き落として巻き込んだ通称「藤田巻」。
「まぐろは鮨のためにある魚」と言い切るだけに、コースでは大とろから赤身までの4かんに太巻きの「藤田巻」も登場とまぐろが大活躍。部位ごとに変わる味わいを楽しめるのも魅力です。
「帆立と北寄、うるいの出汁浸し」と「かますの白味噌椀」。
荒木 悟(あらき・さとる)1995年生まれ 牡羊座 B型 栃木県出身 座右の銘/倒れるときは前のめり 学生時代の部活/ボクシング部
つけ場に立つご主人を取り囲む五角形のカウンターがユニークなこぢんまりとした空間。
すし さとる住所:東京都渋谷区恵比寿南1-17-16 グランベル恵比寿V 2階
TEL:03(6452)2992
営業時間:17時~、19時30分~の2部制
定休日:不定休
予算:おまかせ2万2000円。
毎月20日12時より翌月分の予約を開始。
(次回に続く。
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