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【トップジュエラーの超絶技巧】ブルガリの名品“トゥボガス”の驚くべきしなやかさはこうして生まれる

2025.04.18

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〔特集〕職人技、石について深く識る もっとジュエリーを愛するために トップジュエラーたちが大切に継承し続ける、伝統の手技。そして、美的価値を高める稀少なジェムストーンへの徹底したこだわり。高度なジュエリーメイキングには、たゆまぬ努力がひそんでいるもの。秘められた舞台裏をのぞき見れば、よりジュエリーに愛着がわくはずです。前回の記事はこちら>>

特集「もっとジュエリーを愛するために」の記事一覧はこちら>>>

【技を知る】
メゾンの傑作に尽くされた熟練した職人による“超絶技巧”を見る

蛇のモチーフと“トゥボガス”を組み合わせた「セルペンティ トゥボガス」ブレスレット(YG×オニキス×ダイヤモンド)984万5000円/ブルガリ(ブルガリ・ジャパン)

Bvlgari(ブルガリ)
唯一無二の柔靱さ[トゥボガス]

「ブルガリ」のアイコニックな“トゥボガス”は、驚くほどのしなやかさで女性の体にフィットし、ゴールドの美しさを存分に味わわせてくれる名品。“トゥボガス”のブレスレットやネックレスには、構造上の継ぎ目がありません。


その歴史は1940年代に遡ります。ゴールドの弾性をうまく利用して作られる自由奔放なデザインは、第二次世界大戦後の復興に沸くヨーロッパで注目を浴びました。それは都市に張りめぐらされたガス管に似ていたことから、トゥボガス(ガスチューブ)という愛称で呼ばれたのです。

イタリアのヴァレンツァにあるブルガリのマニュファクトリーでは、まずゴールドの展性を生かし、細いリボンのような線に引き延ばします。それを専用のマシンを使って銅の芯にきつく巻きつけ、最後に芯を抜き取ります。そうしてできあがった中空の平らなパイプがジュエリーとなるのです。

細く長いリボン状に圧延したゴールドを銅の芯に2重に巻きつけていきます。

ゴールドのリボンは精緻に巻かれ、隙間がほとんど見えないほど。

手首にくるくると巻きつけて着用する“トゥボガス”のスタイルは、もう一つのアイコン“セルペンティ”にも生かされています。ともにゴールドという素材の可能性を知り尽くしたジュエラーならではのものだといえるでしょう。

元の形状に戻ろうとするゴールドの弾性がこの驚異的なしなやかさを生んでいます。


(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年05月号

家庭画報 2025年05月号

文/本間恵子

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