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実はすごい「ビタミンD」。風邪の対策や、更年期の骨のため、花粉症、糖尿病にも

2025.04.08

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体と脳を整える ビタミンDの新知見 第2回 ビタミンといえば、まず「C」が浮かぶ方が多いと思いますが、「D」にももっと、注目してみませんか。体と脳にマルチに働き、健やかに快適に日々を過ごす助けとなる、注目度が高まっている栄養素です。前回の記事はこちら>>

【体を整える】冬に風邪をひきやすいのは、血中濃度が低下するから

お話を伺った方/みぞぐちクリニック 院長 溝口 徹先生

ビタミンやミネラルなどの栄養素を最適に取り入れることで、病気の予防や治療を行うオーソモレキュラー療法専門のクリニックを2003年に開設。『【最新版】「脳の栄養不足」が老化を早める! 60歳からの「老けない体」に変わる食習慣』(青春出版社)ほか著書多数。

「気温が下がるから冬は風邪をひきやすいのではなく、血中のビタミンD濃度が下がるからだとわかってきています」と溝口先生。

「黒人の女性を2つのグループに分け、一方は毎日800IUのビタミンDを、もう一方に偽薬を飲んでもらう2008年のアメリカの研究で、ビタミンDを飲んでいたグループは風邪にかかる人が3分の1に減少。下のグラフのように日照時間が減る冬には血中濃度が減りますが、風邪になる人は増えなかった。つまり、ビタミンDの血中濃度が安定していれば、風邪になりにくいということです」(溝口先生)

季節によってビタミンD濃度は変化している

血中のビタミンD濃度は、季節によって大きく変化。風邪をひく人が多い1、2、3月は日照時間が少なく、血中濃度が大きく減っていることがわかる。


グラフの縦軸は血中ビタミンD濃度、横軸は調査年月。左は男性、右は女性。Am J Clin Nutr 2007,85:860

グラフの縦軸は血中ビタミンD濃度、横軸は調査年月。左は男性、右は女性。Am J Clin Nutr 2007,85:860

コロナの重症化やインフルエンザ罹患を防ぐ

アメリカの研究では、コロナウイルス感染症で入院した患者にビタミンDを投与すると、投与しなかったグループにくらべ死亡率が格段に低いエビデンスが(表)。

コロナウイルス感染症のビタミンD治療的効果

新型コロナウイルス感染症によって入院が必要となった中等症以上の患者に対するRCT(ランダム化比較試験)。入院時ビタミンD投与群と比較投与群で分けた。ビタミンD投与群には入院時約20,000IU、3、7、15、30日目に約10,000IU追加投与。Cardiol J. 2022 Apr 7;29(2):188–196.

新型コロナウイルス感染症によって入院が必要となった中等症以上の患者に対するRCT(ランダム化比較試験)。入院時ビタミンD投与群と比較投与群で分けた。ビタミンD投与群には入院時約20,000IU、3、7、15、30日目に約10,000IU追加投与。Cardiol J. 2022 Apr 7;29(2):188–196.

「インフルエンザの予防にも有効です。東京慈恵会医科大学の浦島充佳教授が6〜15歳の子どものインフルエンザ罹患率を調べたところ、ビタミンDを飲んだグループはそうでないグループより42パーセントも低いという結果に」(溝口先生)

撮影/本誌・大見謝星斗(静物) スタイリング/阿部美恵 取材・文/河村美枝

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