〔特集〕「シンプル リトル クチーナ」佐藤夢之介さんの 春を味わう「ベジ」イタリアン 肉や卵を使わず、乳製品はチーズのみ。なのに満足感たっぷりの、野菜が主役のイタリアン。旬の野菜を満喫する、春爛漫のレシピをお届けします。
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〔たけのこ〕
京都の農家さんから「白子たけのこ」が届くと、レストランでもたけのこシーズンが始まります。土の中に潜っているたけのこを手掘りで取り出すため、その名のとおり真っ白。太陽の光を受けていないので、えぐみが少なく、柔らかくて甘いのが特徴です。
たけのこのグリル

右上:たけのこのグリル 左下:ふきのとうのタプナードソース
たけのこそのもののおいしさを味わえるよう、まずはシンプルにグリルで。ふきのとう独特の心地よいほろ苦さをオリーブと味噌でつないだタプナードソースを添えれば、春の気分も最高潮に上がります。
【材料(作りやすい量)と作り方】下ごしらえしたたけのこの穂先200グラムを食べやすい大きさに切る。鉄のフライパンや鉄板に油小さじ1をひき、たけのこを香ばしく焼きつけ る。器に盛り、「ふきのとうのタプナードソース」を添える。
●たけのこの下ごしらえたけのこはよく洗って皮に付着した土などの汚れを落とし、米ぬかひとつかみを入れた湯でゆでる。根元に竹串を刺して、スッと通るまでが目安。流水にさらして皮をむいて米ぬかをよく洗い流した後、お好みのだしで炊く。
ふきのとうのタプナードソース
【材料(作りやすい量)と作り方】(1)ふきのとう100グラムはきれいに洗って粗く刻む。フライパンにオリーブオイル大さじ1をひいて、ふきのとうをしんなりするまで炒める。味噌・みりん各大さじ1、醬油小さじ1を加えてさらに炒める。水分がとんだら火を止める。
(2)黒オリーブの塩漬け(種なし)100グラムを包丁もしくはフードプロセッサーで刻む(あれば黒オリーブペースト大さじ3でもよい)。
(3)(1)と(2)を混ぜ合わせる。
たけのこのアラビアータ

たけのこのグリルは、パスタの具にしても、もちろん美味。トマトソースにぴりっと唐辛子をきかせたアラビアータソースに新玉ねぎも加え、奥行きのある味に。ペンネにからませ、仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりふれば、白ワインの進む「おつまみパスタ」の完成です。
【材料(1人分)と作り方】(1)新玉ねぎ1/2個は皮をむいて厚さ5ミリにスライスする。鍋にオリーブオイル大さじ1をひいて、玉ねぎをしんなりするまで炒める。
(2)缶詰のトマト(裏ごししたもの)90㏄、ざっくり刻んだ小さめのトマト1個分(大きめなら1/2個)、種を除いた唐辛子1本、たけのこのグリル(上記参照)150グラムを加えてなじんだら、塩適量で味をととのえる。
(3)塩1パーセントの湯でペンネ80グラムを袋に表示された時間を目安にゆでる。(2)のソースとあえて、お好みでパルミジャーノ・レッジャーノをふる。
〔菜の花〕
菜の花とあさり、セミドライトマトのスパゲッティーニ

春は貝もおいしくなる季節。貝のスパゲッティといえばボンゴレ!
白ワインで引き出したあさりのうまみを、旬の菜の花とパスタにたっぷり吸わせていただきます。オーブントースターでさっと作るセミドライトマトの酸味とうまみが程よいアクセントになります。
【材料(1人分)と作り方】(1)セミドライトマトを作る。トマト(ミニかミディ)5個を半分に切ってオーブントースターの天板にのせ、軽く塩をふって(粗めの海塩がおすすめ)オリーブオイルをひと回しかけ、中くらいの強さで20分焼く。そのままトースターの中で冷めるまでやすませる。
セミドライトマトは冷蔵庫で1週間ほど保存が可能。カリッと焼いたパンにのせれば気のきいたおつまみに。
(2)フライパンにオリーブオイル大さじ1、にんにく1かけをつぶして入れ、火にかけて香りを出す。あさり200グラム(砂抜きをしたもの)を加え、なじんだら白ワイン大さじ1を入れてふたをし、あさりの殻が開くまで加熱する。あさりを引き上げる。
(3)スパゲッティ90グラムを塩1パーセントの湯で、袋に表示された時間を目安にゆでる。引き上げる1分前に刻んだ菜の花1/2束を入れ、一緒にゆでる。
(4)ゆで上がったスパゲッティと菜の花を(2)に入れてあえる。取り出しておいたあさりと(1)のセミドライトマトとともに器に盛りつける。
佐藤夢之介(さとう・ゆめのすけ)さん「シンプル リトル クチーナ」オーナーシェフ。信頼を寄せる生産者から届くオーガニック野菜の持ち味を最大限に引き出した料理がメニューに並ぶ、小さなレストラン。自家製天然酵母パンも好評。著書に『旬の野菜でシンプル・イタリアン』(世界文化社刊)がある。
シンプル リトル クチーナ住所:東京都文京区小石川2-25-10 1階
TEL:03(3868)3976
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