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【江戸の美味巡りかるた】今も昔も江戸っ子が愛するあの店、この味

2025.03.04

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〔特集〕令和に受け継がれる文化と知恵 ブーム到来、「江戸」の底力 蔦屋重三郎など多士済々だった江戸時代中期から後期は、訪れた外国人も「日本人はよく笑う」と評するほど明るい時代でした。現代の私たちがもっと元気に楽しく過ごせるヒントは、そんな江戸の人々の暮らしにありそうです。芸術や食文化、そして生活の知恵などから、今に通じる江戸の心意気を探っていきます。前回の記事はこちら>>

特集「江戸の底力」の記事一覧はこちら>>>

今も昔も江戸っ子が愛してやまない
美味巡りかるた

江戸、明治、大正、昭和、平成、そして令和。時代は変われど、ずっと変わらず愛される美味が東京に現存します。受け継いだ宝を未来につなぐストーリー、そして江戸情緒が漂うお店の雰囲気も、唯一無二のご馳走です。

創業 享保2年(1717年)

長命寺(ちょうめいじ)桜もち(向島)

桜の葉は外していただく。1個250円。写真/古市和義

関東風桜もち発祥の名店
「長命寺」の門番だった初代山本新六が、当時から桜の名所だった隅田川の土手の桜の葉を塩漬けにし、桜もちを考案して売ったことから始まりました。西伊豆・松崎産のオオシマザクラの葉や、職人が一枚ずつ手焼きする小麦粉を水で溶いただけの薄皮のもちなど、創業当初の素材と製法を守り続けています。5~50個の箱詰めや、籠詰めも。花見の席には欠かせません。

住所:東京都墨田区向島5‒1‒14
TEL:03(3622)3266
営業時間:8時30分~18時
定休日:月曜・火曜(3月~4月は月曜のみ定休)

創業 江戸末期
言問団子(ことといだんご)(向島)

川根茶とのセット780円。写真/古市和義

町を代表する素朴な銘菓
隅田川のほとりに、大名屋敷の植木職人だった初代外山佐吉が創業。串を刺さずに皿で提供される団子は当時珍しかったそうです。団子は、米粉の餅を小豆餡と白餡で包んだものと、くちなしでうぐいす色に色づけした白玉粉の餅で味噌餡を包んだものの3種。ふんわりと柔らかな食感で、自然な甘さが楽しめます。6~60個の箱詰めは、手土産にもおすすめです。

住所:東京都墨田区向島5‒5‒22
TEL:03(3622)0081
営業時間:9時~17時
定休日:火曜

創業 天保8年(1837年)
雷門 三定(さんさだ)(浅草)

海老とかき揚げ、野菜の「上天ぷら」3190円。

雷門通りに面した本館。

日本最古の天ぷら屋
浅草寺の雷門のすぐ横に位置する「雷門 三定」は、今も連日多くのお客様で賑わう人気店。初代三河屋定吉が、江戸近海でとれた小魚などにころもをつけてごま油で揚げ、屋台で売り出したところ大評判となったそう。現在店をきりもりするのは8代目眞田賢太郎さん。ごま油が香るこの江戸前天ぷらを継承しています。

住所:東京都台東区浅草1‒2‒2
TEL:03(3841)3200
営業時間:11時~20時(LO)※金曜・土曜は21時まで、日曜・祝日は20時30分まで
定休日:不定休

創業 慶応2年(1866年)
弁天山(べんてんやま)美家古寿司(みやこずし)(浅草)

奥左より、さより、車海老、ひらめ、づけ、こはだ、煮いか、玉子。にぎり10かんで7150円。

5代目の内田 正さん。

江戸前の古典の技を継承
浅草寺の鐘楼の下で開業。「当時すしはお茶請けのような軽食で、今のようにすしだねが増えたのは、流通がよくなった昭和30年代以降です」と話す5代目親方の内田 正さん。さくのまま湯びきし、煮きりに漬けるまぐろのづけや白く煮上げるあなごの爽煮(さわに)など、仕事を施したすしだねを筆頭に「江戸の粋」を守ります。

住所:東京都台東区浅草2‒1‒16
TEL:03(3844)0034
営業時間:12時~14時、17時~20時 ※日曜・祝日は12時~17時(すべてLO)
定休日:月曜、第1・第3日曜

創業 安政元年(1854年)
梅園(うめぞの)浅草本店(浅草)

江戸時代、浅草の粋人が茶屋遊び帰りの朝の一服に楽しんだ「あわぜんざい」891円。

下町情緒が息づく甘味処
安政元(1854)年、浅草寺の別院だった梅園院(ばいおんいん)の一隅に茶屋を開いたのが始まり。文豪・永井荷風の名作『踊子』には、当時の盛況ぶりが窺える一節があります。江戸期以来続く「あわぜんざい」は、餅きびを半搗(つ)きにして蒸し上げた餅にこし餡をまぶした素朴な甘味。浅草の名物として時代を超えて愛されています。

住所:東京都台東区浅草1‒31‒12
TEL:03(3841)7580
営業時間:10時~16時30分(LO)※土曜・日曜・祝日は17時30分まで
定休日:月2回水曜不定休

創業 享和元年(1801年)
駒形(こまかた)どぜう(浅草)

「どぜうなべ」3300円。

江戸情緒に溢れる商家造りの店。

庶民を支えた滋養の味
嘉永元(1848)年に出版された江戸のグルメガイドブック『江戸名物酒飯手引草』にも掲載された、江戸町民から慕われていた老舗です。人気の「どぜうなべ」では、酒を飲ませて酔わせたどじょうをまるごと堪能できるよう、独自の下ごしらえが施されています。たっぷりのねぎと、お好みで七味や山椒を加えていただきます。

住所:東京都台東区駒形1‒7‒12
TEL:050‒5448‒6266
営業時間:11時~20時(LO)
定休日:不定休

撮影/本誌・西山 航

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