〔特集〕早春の大和路を行く 古都・奈良の椿 椿は日本原産で、文字どおり春を告げる花木。『万葉集』で初めて「椿」という漢字が用いられ、平城京の宮殿や貴族の庭園に椿が植えられたと伝わります。今も「文化としての椿」を大切に守り伝える奈良の人々や古刹を通して、世界に誇れる日本の椿文化を見つめたいと思います。
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古代から愛される玉椿の名所
玉列(たまつら)神社【桜井市慈恩寺】
平安時代の法典『延喜式』に記されている初瀬谷最古の神社であり、「玉椿大明神」とも称され、古歌にも詠まれた椿の景勝地。
椿は苗がある程度育ってから植えて、定期的に間引き剪定されている。開花時期は3月上旬から下旬。写真/ⒸHIROSHI HARADA(SEBUN PHOTO)〈amanaimages〉
枝垂れて咲く「百合椿」、濃い紅色に白雲状の斑が入る「錦重(にしきがさね)」、中心の花びらが重なり合う抱え咲きの「玉手箱」など、約200種500本の椿が本殿の周辺をはじめ、三輪山南麓の境内に植えられています。
地域の世話人が歴代の意志を受け継ぎ、植栽や剪定を行い、ご神花とされる椿を守り繫いでいます。
玉列神社住所:奈良県桜井市慈恩寺
TEL:0744(42)6633(大神神社)
(次回へ続く。
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