温暖な気候や豊かな風土、そして歴史に裏打ちされた確かな手仕事によって生まれる和歌山の名産品の数々──。それらを守り、未来につなげていくというコンセプトのもと「プレミア和歌山」(和歌山県優良県産品推奨制度)は誕生しました。
「和歌山県内で生産・製造されたもの」「安心・安全を重視したもの」そして「和歌山らしさ・和歌山ならではのもの」という審査基準のもと、和歌山の県産品の中から厳選されたプレミアな逸品が、年に一度表彰されます。
各界で活躍する「プレミア和歌山パートナー」たちが応援!
「プレミア和歌山パートナー」は、「プレミア和歌山」の取り組みや県産品の魅力を発信する、まさに“応援団”のような存在です。さまざまな分野で活躍する文化人で構成され、受賞商品の魅力を広く伝えてきました。2023年度の受賞商品を紹介するレセプションでは、6名のパートナーたちが集結しました。
受賞した作り手の皆さんと、プレミア和歌山パートナーの皆さん。後列左から、岸本周平和歌山県知事、プロデューサーでプレミア和歌山推奨品審査委員会委員長の残間里江子さん、プレミア和歌山パートナーのコラムニストの泉麻人さん、作家の荻野アンナさん、作家の幸田真音さん、作家の鈴木光司さん、漫画家の弘兼憲史さん、作家の山本一力さん。前列左から、プラム食品株式会社の代表取締役・長井俊暁さん、梅ボーイズ(株式会社うめひかり)の代表・山本将志郎さん、てらがき農園の専務取締役・寺垣みち子さん。
受賞した作り手の皆さんのモノ作りに対する熱い想いに耳を傾けながら、パートナーたちが試食してその完成度をじっくりと味わいます。
レセプションでは、2023年度の受賞品がステージ横に並べられお披露目されました。
食から工芸品まで、とっておきの逸品に出会える
これまで「プレミア和歌山」に認定された県産品は累計1000品以上。「プレミア和歌山」の公式ウェブサイトにはそれらすべての情報が網羅されており、商品カテゴリや事業者名などから簡単に検索して、そのままネット購入が可能。和歌山自慢の美味しいもの、美しいもの、便利なものが豊富に揃い、ちょっとした贈り物探しにも便利です。
>>プレミア和歌山の公式サイトはこちら 昔ながらの県産品を進化させて次世代へつなぐ──「プレミア和歌山」最新受賞品をご紹介
美味しいのはもちろんのこと、安心・安全であること、持続可能な農業への取り組みなど、「未来につなげる」という心意気によって生まれたプレミアな県産品。4つの最新受賞品をご紹介します。
赤くてしょっぱい“昔ながらの梅干し”が若い新規就農者を増やす⁉

梅ボーイズ(株式会社うめひかり)「梅と紫蘇」1220円(希望小売価格、280g)。詳細は「プレミア和歌山」公式サイトから。
特別賞「梅と紫蘇」完熟して自然落下した南高梅だけを収穫し、天日干しにして赤紫蘇と一緒に漬け熟成させた梅干し。塩味だけでなく、柔らかな皮の食感とフルーティな香りが引き立ち、思わずご飯が進みます。「昨今はハチミツを使った甘い梅干しが主流となっていますが、自分が子どもの頃から親しんできた、昔ながらの赤くてしょっぱい梅干しにこだわりました」と語る、作り手の山本将志郎さん。お弁当に入れても見栄えのしそうな、赤紫蘇の鮮やかな色も魅力です。
山本さんは、和歌山の梅農家の高齢化、そして全国的な若者の農業離れを危惧して「梅ボーイズプロジェクト」を立ち上げます。約10万平米の土地を購入して農業を志す若者を誘致、たった1年間で新規就農者を10名に増やしました。そして、若い就農者たちが作業員として働き続けるのではなく、農園長となって主体的に梅農家を長く続けられるような、次世代農業の「仕組み」の構築にも励んでいます。
「魅力的な商品によって梅のよさをたくさんの人に知ってもらい、長年培われた技術を絶やすことなく伝え、そして梅を育てる農地環境を守り次世代に繋げること。それが僕らの使命です」と山本さんは熱く語ります。
紀州の南高梅が辿り着いた新しいかたち

左・てらがき農園「そのまんま梅の床」1863円(250g) 中・永岡食品株式会社「ウメ缶 どんなときもウメとごはん®」1缶 630円(80g) 右・プラム食品株式会社「JAPANESE CRAFT LIQUEUR くまの」2750円(500ml) すべて詳細は「プレミア和歌山」公式サイトから。
奨励賞「そのまんま梅の床(とこ)」(写真左)
形が悪い梅は、通常は梅干しとしての商品価値がないとみなされてしまいます。そこでてらがき農園は「すべての梅を有効活用できる方法はないか」と思案。農園のまかないで出していた、商品になれなかった梅干しで作った漬物が開発のヒントになったといいます。無農薬栽培の南高梅を五島列島海水塩だけで3年以上熟成させた梅干しを使用し、野菜を丸ごと袋に入れるだけで、さっぱりとした梅風味の一品が完成。スライスした野菜なら袋に入れてわずか3~5分で浅漬けに。ぬか床のように毎日かき混ぜる手間がいらないのも嬉しいポイントです。
奨励賞「ウメ缶 どんなときもウメとごはん®」(写真中)
災害の多い国・日本で、バリエーション豊富に進化している非常食。水で戻せるアルファー化米と、紀州南高梅がまるごと1粒入った缶詰は、ご飯によるエネルギーチャージ、そして梅干しによる疲労回復、塩分補給、抗菌効果が期待できる優れものです。梅干しだけでなく、米も和歌山県産の「熊野米」を使い、メイドイン和歌山にとことんこだわって。また、すぐに食べられるように小型のプラスチック製スプーンが付属。キャンプなどアウトドアでの主食や、風邪のときの養生食としても活用できます。紀州伝統の梅干しがユニークなかたちで進化したひと品です。
奨励賞「JAPANESE CRAFT LIQUEUR(ジャパニーズクラフトリキュール) くまの」(写真右)
紀州の梅と、紀州熊野発のクラフトジンのマリアージュによって生まれた、まったく新しいテイストの“ジン梅酒”。通常の梅酒は焼酎などで作りますが、南高梅、和歌山県産のぶどう山椒、温州みかん、ジュニパーベリーなど19種類のボタニカル原料を使ったジンを採用。甘やかで芳醇な香りと、きりっと刺激的な余韻が持ち味となっています。手がけたのは、100年続くモノ作りを目指し2019年にプラム食品株式会社が開設した「紀州熊野蒸溜所」。紀州南高梅や、熊野地方産を中心としたボタニカル原料を生かし、メイドイン和歌山にこだわり続けます。
●お問い合わせ/
プレミア和歌山 公式サイト
https://premier-wakayama.jp/プレミア和歌山 公式インスタグラム
https://www.instagram.com/premier_wakayama/