〔特集〕早春の大和路を行く 古都・奈良の椿 椿は日本原産で、文字どおり春を告げる花木。『万葉集』で初めて「椿」という漢字が用いられ、平城京の宮殿や貴族の庭園に椿が植えられたと伝わります。今も「文化としての椿」を大切に守り伝える奈良の人々や古刹を通して、世界に誇れる日本の椿文化を見つめたいと思います。
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古都奈良の文化財を守る多様な椿
元興寺(がんごうじ)【奈良市中院町】
世界文化遺産の一つに数えられる元興寺。1961年に火災から仏閣を守る防火林として、椿の専門家による監修のもと約250本の椿の木が境内や生垣に植えられました。
地蔵や仏塔が稲田のごとく並ぶ 「浮図田(ふとでん)」 周辺に多種多様な椿が咲く。開花時期は3月から4月。写真/中島洋祐〈アフロ〉
花びらが黒紅色に染まる「黒椿」や淡桃色の大ぶりな花びらをつける「曙」など、珍種も含め100種以上の品種が揃います。
境内にある弁天社の近くには、元興寺の旧寺地であったとされる下御門町にかつて存在した「椿神社」の大きな井戸枠が納められています。
元興寺住所:奈良県奈良市中院町11
TEL:0742(23)1377
(次回へ続く。
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