カルチャー&ホビー

なんと読むでしょうか。難読名字「帷子」編

2025.03.13

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:帷子(かたびら)

「帷子」という難読名字があります。これで「かたびら」と読み、漢字と読みが全く対応していないため、知らないと絶対に読めません。しかし簡単に読めてしまう人も意外と多いのです。

その理由は2つあります。

1つは地名があるからです。


「帷子」という名字が多いのは岩手県で、ここにはルーツとなった陸奥国岩手郡帷子村(現在の岩手県岩手郡西根町帷子)という地名があります。地名があるので、その地域の人にとっては当然の読み方です。

さらに、帷子という地名は意外と多く、横浜市の帷子川や、京都太秦の帷子ヶ辻町など各地に点々とあるのです。従って地名で読み方を知っている、という人も多いと思います。

そしてもう1つの理由が、古語に帷子という言葉があるからです。

古くは『日本書紀』に登場するほか、『枕草子』『源氏物語』『平家物語』『徒然草』など多くの書物に出てくるため、古典に親しんでいる人にも見慣れた読み方といえます。

帷子とは、裏をつけない布製の衣類の総称で、夏は直衣(のうし)の下に着ました。裏のついた袷から裏をとった「かたひら」が語源とされます。

地名の帷子も、古語の帷子に由来しているものが多いと思います。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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