カルチャー&ホビー

家庭画報の著者たちと選んだ、大人が心動かされる絵本16選

2025.01.23

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〔特集〕心の渇き、悲しみ、迷いに効く 今、大人に届けたい絵本 「絵本は人生に3度。子ども時代と、親になったとき、人生後半に読んでほしいのです」とノンフィクション作家の柳田邦男さんは語ります。年齢を重ねたからこそ、絵本の根底にある深い意味がわかるようになり、人生を振り返るきっかけになるのだと。今、心が何かを求めている人、悲しみの中にある人 ──。大人になった今だからこそ絵本で心の潤いを取り戻し、生きる力の再生へとつながる出会いを体験してください。前回の記事はこちら>>

特集「大人に届けたい絵本」の記事一覧はこちら>>>

家庭画報の著者と選んだ 大人が心動かされる絵本

年齢を重ね、悲喜こもごもを経験してきたからこそ受け取れるメッセージがあります。今回、家庭画報に縁のある著者にアンケートを実施。おすすめの絵本をご紹介します。

[無償の愛]

誰かを愛するとき、人はそこに見返りを求めません。ただひたすらにその人の幸せを願う、そんな無償の愛の尊さを思い出す、人生の支柱となる作品たちです。


『おおきな木』
作・絵/シェル・シルヴァスタイン 訳/村上春樹 あすなろ書房 1320円
少年が老人になるまで幸せを願い、自分のすべてを与え続けた一本の木。訳者の村上春樹氏は後書きに「この物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由」と記しています。無償の愛について考えさせられる世界的名作。

『14ひきのひっこし』
作・絵/いわむらかずお 童心社 1430円
幼少期から生き物の図鑑を見るのが好きだったという今森光彦さん(写真家、切り絵作家)が、「自然の描写と個性豊かなねずみたちの表情が素晴らしい」と太鼓判を押す一冊。大家族のねずみが新しい住み処を求めて自然の中を進みます。小さなねずみたちが互いを思いながら助け合う姿に、家族の大切さに気づかされます。

[共生・助け合い]

人は誰しも一人では生きていけない。日々、忙しなく過ごすなかで見失いがちな、そんな当たり前のこと、“共生の大切さ” にそっと気づかせてくれる絵本。

『てぶくろ』
ウクライナ民話 絵/エウゲーニー・M・ラチョフ 訳/内田莉莎子 福音館書店 1100円
雪の降る森の中、落とし物の手袋に「私も入れて」「ぼくも入れて」と次々にやってくる動物たち。ぎゅうぎゅうで手袋が張り裂けそうになっても、誰一人取り残さずに暖をとる動物たちの姿に心温まるウクライナの物語。

『あらしのよるに』
作/きむらゆういち 絵/あべ弘士 講談社 1540円
全7巻のシリーズ作品の第1巻。捕食者のおおかみと被食者のやぎ。そんな2匹が嵐の夜、互いの姿が見えない暗闇の中、雨宿りをしながら友情を深める物語。話が嚙み合わないまま進んでいく2匹の会話には思わず笑ってしまいます。

撮影/本誌・西山 航 スタイリング/阿部美恵 取材・文/森 麻子

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