ジュエリー見聞録 2月 宝石史研究家・山口 遼さんの解説で、素晴らしいジュエリーとその見どころをお届けします。
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独自の仕上げを施したピンクゴールドが肌に密着
解説/山口 遼(宝飾史研究家)
ジュエリーの中でも、ブレスレットについては、西欧と日本の間には、大きな差があるようです。最近では少し異なるようですが、日本の女性が買うジュエリーの中で、順番で言えばブレスレットは一番後に来るようです。西欧では、女性が最初にもらう、あるいは買うジュエリーはブレスレットなのです。
この「ピアジェ」の新作のブレスレット、緑色と金色との対比が実に美しく、デザイン部分が固定した作りで、バングルと呼ばれます。デザインはピアジェが得意とする薔薇の花、緑の部分には、中央にエメラルド、その周辺をトルマリン、マラカイト、クリソプレーズ、さらに小さなエメラルドと、すべて色合いは異なりますが、緑の宝石を使ったものです。
薔薇の花弁にはピンクゴールドを使い、その表面に縦の細線を彫り込んで、金の輝きを消しています。ここが一番の見所で、これが普通のてらりとした金ですと全く表情が違います。腕に当たる部分にも、同じ仕上げの金を使い、軽い弾性をつけて腕に密着するように仕上げてあります。一見すると木目にも見えますね。
薔薇の一番外側に使われている縞模様のある緑はマラカイトという、高級ジュエリーでは滅多に使わないもので、透明な緑とは異なる強烈なアクセントになっています。さすがに、大胆さで知られるピアジェならではの傑作ですね。
ボリューム感のある薔薇モチーフが華やかな手もとを演出メゾンの象徴であり、女性らしさのシンボルである「ローズ・エクストラオーディネル・コレクション」より。花弁の先端にあしらわれたブリリアントカット・ダイヤモンドの繊細なラインの美しさに注目。ブレスレット(PG×エメラルド×トルマリン×ダイヤモンド×マラカイト×クリソプレーズ)5852万円/ピアジェ
●お問い合わせ/ピアジェ コンタクトセンター TEL:0120-73-1874