名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。
連載一覧はこちら>>
丸山(まるやま)
「丸山」は地形由来の名字です。
山の形には、頂上がとがっているもの、富士山のような形をしているもの、ごつごつとした形をしたものなど色々あります。このうち、全体的に丸いシルエットの山が「丸山」で、こうしたところに住んだ人が名乗ったのが「丸山」です。
比較的よくある地形に因むため、「丸山」という名字も全国に広く分布しており、なかでも長野県で4位、新潟県で14位と、この2県に集中しています。
とくに、長野県の北部から新潟県の上越地方南部にかけて激しく集中しており、長野県安曇野市では一番多い名字が「丸山」になっています。
歴史的に有名なのは信濃の名族仁科氏の庶流という丸山氏で、長野県生坂村(いくさかむら)に住み村内の地名をとって「丸山」を名乗りました。現在でも生坂村には人口の4%以上が「丸山」とかなり多く、安曇野市や松本市の「丸山」はこの子孫が多いといいます。
また、「まるやま」という名字は「円山」とも書きます。こちらも由来は同じで、「丸い山」に因むものです。
森岡浩/Hiroshi Morioka姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
墨アート製作 書家・越智まみ(
https://esprit-de-mami.com/)
セブンアカデミーで越智まみさんの「オンライン書道」墨アートレッスンが開催中。詳細は
こちらから>>