きもののナゼ?に答えます 第5回 きものの決まり事や小物については、知っているようで意外と漠然としていたり、何がよいのか迷うことも出てきます。皆さんのいまさら聞けない悩みや疑問に、各分野でご活躍の専門家がわかりやすくお答えします。
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Q.帯揚げで綸子(りんず)系と縮緬(ちりめん)系とではフォーマル度が違うのでしょうか?
A.光沢がある綸子系はフォーマル向き。縮緬系も箔や刺繡で格が上がります。
解説/浦田充靖(あつやす)さん(ゑり正 九代目店主)
今から50〜60年前は綸子地の帯揚げが全盛の時代でした。訪問着などの染めのきものに生地の光沢が映えて、流行りの取り合わせでした。最近では、生地の製造がなくなっているので、綸子にはあまり出会いません。
皆さんが綸子系と思っていらっしゃるのは、紋意匠縮緬地(もんいしょうちりめんじ)かもしれません。品の良い光沢があり、地紋が織り出されています。友禅のきもの地として、訪問着など幅広く用いられています。この帯揚げはふっくらと柔らかい雰囲気になるので、訪問着や付け下げなどフォーマル感のあるきものに合わせます。
【光沢系】上♢主流となっている紋意匠縮緬地に飛び絞りの帯揚げ。淡い鶯色(うぐいすいろ)地で上品な光沢があります。下♢昔ながらの紋綸子地の輪出し絞りの帯揚げ。白地に臙脂(えんじ)の取り合わせは今も人気。光沢が大変豊かです。
以前はしぼが粗い縮緬の帯揚げは、紬など硬い織物によく合わせました。ただ縮緬に刺繡や箔を加えると、格が上がると考え、お洒落として縮緬地の選択肢は広がっています。
【縮緬系】縮緬地に金彩加工や刺繡が加わると、格が上がります。セミフォーマルなどにお洒落に使うことも。上♢源氏香に箔加工した縮緬の帯揚げ。下♢金駒の天神唐草の刺繡が施された縮緬の帯揚げです。帯揚げ/すべてゑり正
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