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仲野太賀さんの最新舞台『峠の我が家』 劇場に張り詰める緊張感や詩的な世界観を楽しんでもらえたら

2024.09.20

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今月の人 仲野太賀さん

「フィクションではあるけれども、役としての気持ちには噓がないように、血の通った人間として存在できるようにと思いながら、いつも演じています」そう話すのは、NHK連続テレビ小説『虎に翼』の主人公の夫役が大好評だった仲野太賀さん。

逸脱する男の色気が期待される新作舞台

注目を集める31歳の実力派が、6度目の出演となる岩松 了さん作・演出の舞台で初めて主演を務めます。

「これまで出演させてもらった作品一つ一つが積み重なって、今回の新作につながっているかと思うと、一段と深い喜びがあって本当にありがたいです。公私ともに仲よくさせてもらってきた(二階堂)ふみちゃんや(柄本)時生くんと、岩松さんの作品に出られることも嬉しくて。岩松さんが素敵な俳優さんたちにどんな役を書いて、舞台上でどういう人間模様が描かれていくのか、すごく楽しみです」



ちなみに、『峠の我が家』と題されたこの新作で仲野さんが演じるのは、夏場だけ旅館を営む峠の古い一軒家を訪れる、安藤という若者。目下、台本執筆中の岩松さんは、「逸脱する男の色気を期待しています」とコメントしています。

「これまでやってこなかったような役になるのかなと思っています。どこに連れていかれるのか、ワクワクします(笑)」

言葉を尽くしても形容しきれない何かが残る

テレビの印象そのままの人懐こい笑顔が素敵な仲野さん。俳優の中野英雄さんを父に持ち、映画の世界への憧れから13歳で芸能界に入った彼にとって、岩松作品との出合いは大きな転機になりました。

「17歳のときに、岩松さんの『シダの群れ』というお芝居を観て衝撃を受けたんです。演劇ってこんなにすごいものなのか、この言葉にできないけど心に残っているものは何だ⁉って。何かこう自分が求めていたものを感じて、この世界には映画以外にも素敵なものがいっぱいあるんだな、もっと演劇を観ないとダメだなと、一気に世界が開けた瞬間でした」

「フィクションの世界でも、血の通った人間として存在したい」──仲野太賀さん

折しも、岩松さんのワークショップが開かれることを知り、「この人が創る演劇の世界をもっと知りたい」と、オーディションを受けて参加。

「岩松さんの作品で印象深いのは、『結びの庭』(2015年)の地方公演です。大事なセリフを忘れた岩松さんが、なんとかしようとするのを見て僕が笑ってしまったら、岩松さんも吹き出して、シリアスな殺人シーンを笑いながら演じることになりました(笑)」

「やればやるほど難しくて、台本を読めば読むほど発見がある。それがまた鮮烈で面白くて。演劇にもいろいろありますが、僕は岩松さんの作品ほど、劇場に張り詰める緊張感や詩的な世界観を楽しめるものはないんじゃないかと感じています。セリフがどれも美しくて、それでいてなお、言葉を尽くしても形容しきれない何かが舞台上に残る。岩松さんはよく“幕が閉じた後、劇場に一本リリカルな線が残れば、それでいいんだ”ということを、唐 十郎さんに教えてもらったとおっしゃっているんですが、僕自身も演劇をやるうえでそれを大事にしています」

2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』での主演も決まっている仲野さん。多忙な日々の息抜きは「山や海に出かけたり、大好きな旅をすること」。なかでも、今年トレッキングをした世界で最も美しい谷の一つと称されるネパールのランタン谷が印象深いといいます。

「その谷の、富士山よりも標高が高い場所にある集落で数日過ごしました。山小屋を転々としながら5日間ぐらい山の中を登っていく、その谷に着くまでの行程も含めて、本当に楽しい旅でした」

今後の展望を尋ねると、「お仕事をご一緒したいと思っている方も、挑戦したいことも、まだまだあります」とのこと。

仲野太賀(なかの・たいが)
1993年東京都出身。2006年に俳優デビュー。多数の話題作に出演し、2021年の映画『すばらしき世界』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、2022年にエランドール新人賞を受賞。W主演を務める連続ドラマ『新宿野戦病院』が放送中。映画『十一人の賊軍』が2024年11月に公開予定。

M&Oplaysプロデュース『峠の我が家』

劇作家・演出家・俳優として活躍する岩松 了の書き下ろし。物語の舞台は、借金のカタとして嫁いできた女(二階堂ふみ)が、夫(柄本時生)と義父(岩松 了)と住んでいる峠の古い一軒家。家を出たい女は、そこを訪れた若者(仲野太賀)に救いを求めるが……。

作・演出/岩松 了
出演/仲野太賀 二階堂ふみ 柄本時生 池津祥子 新名基浩 岩松 了 豊原功補

本多劇場
2024年10月25日(金)~11月17日(日)
指定席8000円ほか
M&Oplays:03(6427)9486 
URL:https://mo-plays.com/wagaya/
※2024年11月21日(木)~ 12月15日(日)に新潟、宮城、富山、愛知、広島、岡山、大阪公演あり

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年10月号

家庭画報 2024年10月号

撮影/筒井義昭 スタイリング/石井 大 ヘア&メイク/高橋将氣 取材・文/岡﨑 香

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