きもののナゼ?に答えます 第1回 きものの決まり事や小物については、知っているようで意外と漠然としていたり、何がよいのか迷うことも出てきます。皆さんのいまさら聞けない悩みや疑問に、各分野でご活躍の専門家がわかりやすくお答えします。
Q.扇子を差す位置はどこが正しいのでしょうか?
A.帯と帯揚げの間、きものと帯揚げの間、どちらも正しいです。
解説/阿部栄子さん(大妻女子大学被服学科教授)
伝統や、歴史を振り返ってみると、差す位置は両方正しいのです。
扇子(末広)は神の依代(よりしろ)とのとらえ方、末広がりの形状から、発展、繁栄を意味しています。きものの歴史をたどると、小袖を着ていた時代は、きものと帯(細帯)しかありませんでした。それらが時代の変遷にともなって、きものが長くなり、帯幅が広くなって、帯周りの小物である帯揚げ、帯締めが生まれました。
扇子はパワーをわが身に引き寄せる力があるとの観点から、最も近くに身に着けていたのです。これが古式の考え方で、きものと帯揚げの間に差します。
きものと帯揚げの間。
また、きものの着付けの研究家の方々はきものを傷つけないように、取り出しやすいようにとの配慮から、帯と帯揚げの間に扇子を差すことをすすめています。
帯と帯揚げの間。
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