新世代の鍼灸師に訊く 第9回(2) 鍼灸院は「未病を予防する」ことから「病気を改善する」ことまで守備範囲が広く、身近な健康アドバイザーとしてもっと活用したい医療施設の一つです。
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スキマ時間でやってみよう!簡単セルフケア
平地治美先生(和光鍼灸治療院)
和光鍼灸治療院 院長 平地治美(ひらぢ・はるみ)先生
1970年、千葉県生まれ。明治薬科大学卒業。漢方薬局勤務を経て東洋鍼灸専門学校に入学。故・寺師睦宗氏に漢方を、故・石原克己氏に鍼灸を学ぶ。2009年に和光漢方薬局を開局。20年に和光鍼灸治療院を開設。鍼灸と漢方薬の両輪で診療に取り組む。日本伝統鍼灸学会理事、日本東洋医学会代議員。漢方・養生に関する一般向けの著書も多い。
瞑想、漢方軟膏、食養生で腎陰虚によるトラブルをケアする
「イライラするだけで鍋の水は減り、腎陰虚が進みます。心を落ち着かせるために瞑想を習慣化することをおすすめします」と平地先生。また、乾燥肌のケアには漢方軟膏の一種である紫雲膏(しうんこう)を。デリケートゾーンにも安心して使えます。そして、毎日の朝食は潤いを補う漢方粥に替えましょう。更年期症状の緩和に効果的な食材を入れると一石二鳥です。
交感神経の興奮を鎮める 瞑想
椅子に腰かけ、目を軽く閉じて、心の中でヴィパッサナー瞑想の「慈悲の瞑想」を唱える。10~30分ほど瞑想すると気持ちが落ち着き、呼吸も深くなる。瞑想はどの時間帯、どのタイミングで行ってもよいが、布団の中で行うことは推奨されていない。
慈悲の瞑想
私は幸せでありますように
私の悩み苦しみがなくなりますように
私の願いごとが叶えられますように
私に悟りの光が現れますように
私は幸せでありますように(3回)
乾燥肌のケア 紫雲膏の塗布
薬局で販売している紫雲膏を乾燥した肌に塗布する。腟の乾燥や下着擦れによるかゆみ、切れ痔、便秘なども、トイレに行くたびに外陰部、腟、肛門に塗布することで改善される。
潤いを補う 漢方粥
体に必要な水(体液)が枯れてきている状態(腎陰虚)を、食養生で改善するには漢方粥がイチ押し。炊飯器に米(胃腸が弱っている場合は古米がよい)と水、漢方食材(人参、ハスの実、ナツメ、クコの実など)を入れて一緒に炊く。
診療案内
千葉市若葉区小倉台2-1029-31
TEL:043(308)6138 完全予約制
診療時間/9時~18時
休診日/木曜・日曜・祝日
診療費/初診料2000円、治療費5000円、子ども・学生料金あり
https://www.kigusuri.com/shop/wakou/ ※「築地本願寺GINZAサロン KOKOROアカデミー」にて漢方講座を開講中。
https://tsukijihongwanji.my.site.com/ginzasalon/s/KokoroAcademy・連載「新世代の鍼灸師に訊く」の記事一覧はこちら>>>