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「灸治療」に特化した鍼灸院。自身も甲状腺の病気を克服、越石江里先生(越石鍼灸院)

2024.05.22

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新世代の鍼灸師に訊く 第6回(1) 鍼灸院は「未病を予防する」ことから「病気を改善する」ことまで守備範囲が広く、身近な健康アドバイザーとしてもっと活用したい医療施設の一つです。前回の記事はこちら>>

更年期から起こりやすいトラブルの予防法・解決法「甲状腺の病気」

越石江里先生(越石鍼灸院)

越石江里先生(越石鍼灸院)

越石鍼灸院 副院長 越石江里(こしいし・えり)先生
1971年、東京都生まれ。花田学園日本鍼灸理療専門学校卒業。父方の祖母も鍼灸師。一般企業に勤務した後、97年から母・越石まつ江氏のもとで越石式灸法を学び、その技と治療の心を受け継ぐ。2004年には機能訓練型デイサービスを開設し、お灸を生かしたリハビリにも取り組む。21年より副院長。現在は全国からやってくる研修生を母とともに育成し、継承者として越石式灸法の普及に注力。

心地よく痕にならないオリジナルのお灸で全身の状態を調整し、諸症状を改善に導く

越石鍼灸院は灸治療に特化した全国でも珍しい鍼灸院です。越石江里先生の母であるまつ江先生は、紫雲膏灸(しうんこうきゅう)を得意とした故・安藤譲一先生に師事。安藤先生から受け継いだ紫雲膏灸を独自に進化させ「越石式灸法」を確立しました。

お灸一筋に高みを目指す母の背中を見て育った越石先生もまた幼い頃から鍼灸に親しんできました。中学生のときには母一代で鍼灸院を終わらせるのはもったいないから跡を継いで鍼灸師になろうと決めていたそうです。今では越石式灸法の継承者として母とともに後進の育成に取り組んでいます。

多壮灸で深部からじんわり温め全身のベースアップを図る

越石先生には数年前に甲状腺の病気を発症し越石式灸法で克服した経験があります。「息切れや頻脈が出てきて、最初は更年期症状の一つだと思っていたのですが普段の倍の太さまで足がむくんだことで、これはおかしいと。医療機関を受診し、甲状腺ホルモンの分泌が盛んになる甲状腺機能亢進症と判明。心不全の一歩手前の状態になっており、薬物治療とともにお灸を毎日行いました」。

越石鍼灸院 越石鍼灸院が開発したお灸バームの上にモグサを置いて灸を据えることで心地よい体感温度を実現。督脈と膀胱系のツボに多壮灸を3回行い、深部からじんわり温める。

越石鍼灸院が開発したお灸バームの上にモグサを置いて灸を据えることで心地よい体感温度を実現。督脈と膀胱系のツボに多壮灸を3回行い、深部からじんわり温める。

その結果、2週間後の検査では薬物治療が不要となり、その2週間後にはTSH(甲状腺刺激ホルモン)などが正常値に戻り治癒することができたのです。


「病状のほか灸治療を始める時期や施術回数などによって治り方の早さは違うものの、あらためて越石式灸法の効果の高さを実感しました。同時にこのお灸が病に苦しむ人々の身近な治療法となるべく、さらに広めていかなければならないといっそう強く思うようになりました」。

越石式灸法では基本的なアプローチとして全身状態を調整したうえでトラブルが起こっている器官や臓器、つらい症状が出ている部位を中心に局所的な治療を行っていきます。

「私たちは免疫力を含め、全身機能が低下しているために体の最も弱い部分にトラブルが発生すると考えています。それで、最初に全身のベースアップを図るのです」。

施術に際しては“多壮灸”と“糸状灸”と呼ばれる2種類のお灸を目的や症状に応じて使い分けており、全身調整には多壮灸が用いられます。背骨を通る督脈(とくみゃく)と背骨の両脇にある膀胱系の経絡(けいらく)を、本治法(病気のもととなる体質を改善する根本的な治療)を実施するうえでの要ととらえ、これらの場所を触って反応があった経穴(けいけつ)(ツボ)を多壮灸で深部からじんわり温め、ホルモンバランスや自律神経を整え、免疫力を高めていくのです。

※多壮灸とは米粒大のお灸で同じ場所に複数回重ねて行う。糸状灸とは幅1ミリ程度の糸状のお灸で点火した後にすぐに消す。

刺激が少ない糸状灸を多用し症状が出た患部に働きかける

甲状腺がある首まわり、むくみなどの症状が出ている部位には、刺激が少ない糸状灸を用いることが多いそうです。このお灸は万能で、炎症部位に使えるほか、体が弱りきっているときに免疫力の向上や胃腸の働きをよくする効果を狙って胸やおなかにすることもあります。

また、甲状腺の病気は同じでも一人一人の体質や病状は違うため、越石先生はその状態をよく見極めて必要な部位に適切な施術を行うことを心がけています。

甲状腺のまわりを糸状灸で刺激するために人迎(じんげい)や水突(すいとつ)などのツボを使う。体が弱りきっているときは免疫力の向上を狙い、胸に糸状灸を施術することも多い。

甲状腺のまわりを糸状灸で刺激するために人迎(じんげい)や水突(すいとつ)などのツボを使う。体が弱りきっているときは免疫力の向上を狙い、胸に糸状灸を施術することも多い。

そして、多壮灸や糸状灸の温度が人の体温とほぼ同じ40+-2度でコントロールされていることが越石式灸法の優れた効果と関係がありそうです。

「この温度は、自律神経を整えるのに最も適しているといわれ、近年の温度生物学研究では体温が38・5度に上昇すると免疫細胞のマクロファージが細菌などを貪食する働きが増強されることも確認されています」。

母・まつ江先生のもとで越石式灸法の研鑽を積んで27年。妹・直巳さんは鍼灸学校教員で、医学博士号を取得し灸治療の研究にも取り組む心強い同志だ。

母・まつ江先生のもとで越石式灸法の研鑽を積んで27年。妹・直巳さんは鍼灸学校教員で、医学博士号を取得し灸治療の研究にも取り組む心強い同志だ。

一方、越石先生自身、甲状腺の病気が回復した後も定期的に灸治療を続けているそうです。

「過去に病気になった器官や臓器は、その人の弱点といえます。そのため、過労などで全身機能や基礎体力が落ちると症状や病気は再燃します。日頃から鍼灸治療で体全体のベースアップを図ることが未病の段階で病気を食い止めるために大切なことです」。

※経絡とはエネルギーが流れる通路のことで、全身に12本の特性を持った流れがある。

診療案内

東京都練馬区桜台1-4-1 越石ビル1階
TEL:03(3948)8852
予約制
診療時間/9時~12時、14時~18時(土曜15時まで)
休診日/日曜・祝日
診療費/初診料2000円(税込み)、鍼灸治療8500円(税込み)
https://www.clinpia.jp/

越石鍼灸院
※次回へ続く。

・連載「新世代の鍼灸師に訊く」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年06月号

家庭画報 2024年06月号

撮影/本誌・大見謝星斗 取材・文/渡辺千鶴

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