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世界一のバリスタと有田焼老舗のコラボレーションで誕生した、最高の一杯を楽しむためのコーヒーカップ

2024.04.24

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ワールド・バリスタ・チャンピオンの経歴を持ち、“コーヒー伝道師”としてグローバルに活躍をする井崎英典さんと、老舗有田焼窯元のブランド「アリタポーセリンラボ」とのコラボレーションで誕生したコーヒーカップThe M 「日照昼月照夜」(にっしょうちゅうげっしょうや)。一見コーヒーカップには見えないユニークな形をしたこの器に込められた思いとは——。

コーヒーというグローバルな飲み物で世界を平和にしたい

2014年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップにおいて、弱冠24歳でアジア人初の世界チャンピオンに輝いた井崎英典さん。バリスタとして最上の味のコーヒーとサービスを追求し続けながら、現在は主にコンサルタントとして、世界各国での後進のバリスタ育成や、日本マクドナルドをはじめとする大手企業のコーヒーの監修・商品開発などのプロデュースを行う、コーヒー業界のアイコン的存在のひとりです。井崎英典(いざき・ひでのり)さん 1990年福岡県生まれ。第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン、株式会社QAHWA(カフア)代表取締役。2012年史上最年少でジャパン・バリスタ・チャンピオンシップにて優勝。2014年ワールド・バリスタ・チャンピオンシップでアジア人初の世界チャンピオンに。『世界一美味しいコーヒーの淹れ方』(ダイヤモンド社刊)、『世界のビジネスエリートは知っている 教養としてのコーヒー』(ソフトバンククリエイティブ刊)など著書も多数。

井崎英典(いざき・ひでのり)さん 1990年福岡県生まれ。第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン、株式会社QAHWA(カフア)代表取締役。2012年史上最年少でジャパン・バリスタ・チャンピオンシップにて優勝。2014年ワールド・バリスタ・チャンピオンシップでアジア人初の世界チャンピオンに。『世界一美味しいコーヒーの淹れ方』(ダイヤモンド社刊)、『世界のビジネスエリートは知っている 教養としてのコーヒー』(ソフトバンククリエイティブ刊)など著書も多数。

2019年には自身の会社「カフア」(※アラビア語でコーヒーを意味する)を設立。「Brew Peace~コーヒーの力で平和な世界を叶えよう」という企業理念のもと、コーヒーによって、国境・人種・言葉、あらゆる壁を越え、ほっとできる幸せなひと時を広げていきたいと、年間200日以上海外を飛び回っています。

そんな井崎さんが2023年4月にオープンしたのが、完全予約制のコーヒーバー「珈空暈(こくうん)」。世界各国のコーヒー農園を旅して、自らが選んだ幻とも呼べる希少なコーヒーを、バーテンダーがカクテルを作るかのように、日本各地から厳選した農作物と調合し、全く新しいコーヒーをフルコースというスタイルで提供しています。「珈空暈(こくうん)」の店内。わずか4席限定の、ここでしかできない至高のコーヒー体験を求めて、日本国内だけでなく、海外からのお客様も多数来店。

「珈空暈(こくうん)」の店内。わずか4席限定の、ここでしかできない至高のコーヒー体験を求めて、日本国内だけでなく、海外からのお客様も多数来店。

空間の雰囲気づくりから、コーヒー豆、水、菓子など、細部にわたるまで井崎さんのこだわりがつまった珈空暈でコーヒーカップとして使われるのは、国内作家によるさまざまな工芸品。しかし、工芸品としての美しさとコーヒーをおいしく飲むための機能性の両方を持ち合わせた器がなかなか見つからず、「ここでずっと使い続けたいと思える器を作りたい」と思っていました。

その矢先に出会ったのが、海外からも注目される有田焼ブランド「アリタポーセリンラボ」の松本 哲さんでした。

有田焼の新しい可能性を広げ続ける「アリタポーセリンラボ」

アリタポーセリンラボは、1804年に創業された有田焼の老舗「弥左ヱ門窯(やざえもんがま)」の七代目 松本 哲さんが立ち上げた有田焼ブランド。伝統技法による有田焼を、現代のライフスタイルに合うよう再構築して生み出されるモダンな器は、実用性にもデザイン性にも優れ、国内外から人気を集めています。7代目弥左エ門・松本 哲(まつもと・さとる)さん 19●●年佐賀県生まれ。大学卒業後大手銀行に就職。●●●●年、当時20億円もの負債を抱えていた家業を健全化するため、弥左ヱ門窯の7代目当主に。現代のライフスタイルに合うモダンな有田焼「アリタポーセリンラボ」をスタート。

7代目弥左エ門・松本 哲(まつもと・さとる)さん 1972年佐賀県生まれ。大学卒業後大手銀行に就職。2002年、当時20億円もの負債を抱えていた家業を健全化するため、弥左エ門窯の7代目当主に。現代のライフスタイルに合うモダンな有田焼「アリタポーセリンラボ」をスタート。

家業を継承した松本さんには「弥左エ門窯はもともと量産をしてきたメーカーなので、作り手がアーティスト化するのではなく、社をブランド化していきたい。そして、ヨーロッパの老舗メゾンのように、職人の育成と雇用を守り続けながら、世界中で愛され、発展していくことを目指したい」という強い思いがありました。


その考えに基づき、アリタポーセリンラボでは、ゲランの有田焼スペシャルボトルや、ラデュレのティーポット&ティーカップをはじめ、小松美羽さん、奥山清行さんといった、世界的なブランドやアーティストとのコラボレーションを積極的に展開。話題が話題を呼び、今では日々さまざまなコラボレーションの相談が後を絶たないそうです。現代アーティスト小松美羽さんとコラボレーションした有田焼の狛犬「魂を見つめる守護獣」。英国チェルシーフラワーショーで、景観アーティスト・石原和幸さんの出展作品に置くために作られたものが、その後大英博物館キュレーターの目に留まり、芸術品としての価値が高く評価され、大英博物館の永久収蔵品になっている。

現代アーティスト小松美羽さんとコラボレーションした有田焼の狛犬「魂を見つめる守護獣」。英国チェルシーフラワーショーで、景観アーティスト・石原和幸さんの出展作品に置くために作られたものが、その後大英博物館キュレーターの目に留まり、芸術品としての価値が高く評価され、大英博物館の永久収蔵品になっている。

モダンな有田焼を通じて、暮らしの中に心豊かなひと時を届け続けるアリタポーセリンラボは、井崎さんの理念や活動とも相通じるものがありました。

コーヒーをおいしく味わう条件をすべて兼ね備えた唯一無二のカップが誕生 商品名の「日照昼月照夜」とは、日は昼を照らし、月は夜を照らすという意味を持つ禅語。表面に現れる釉薬模様を「月」になぞらえ、コーヒーの液色を「夜」に見立てることで、月が夜を照らす様子を表現。

商品名の「日照昼月照夜」とは、日は昼を照らし、月は夜を照らすという意味を持つ禅語。表面に現れる釉薬模様を「月」になぞらえ、コーヒーの液色を「夜」に見立てることで、月が夜を照らす様子を表現。

最高の一杯のためのコーヒーカップを作るプロジェクトは、釉薬を選ぶことからスタート。300種近くもの中から最終的には窯変(ようへん=陶磁器が焼き上がった際に予期しない模様が出現)する釉薬が選ばれました。そのため、2つとして同じものが存在しない、特別な器の誕生が叶ったのです。予測不能な窯変釉薬の濃度や掛け方を工夫することで、コンセプトやイメージに近い表情を実現。焼き上がるまでわからない模様の出方を、ある程度まで予期してコントロールするのはとても難しいことだった、と松本さん。

予測不能な窯変釉薬の濃度や掛け方を工夫することで、コンセプトやイメージに近い表情を実現。焼き上がるまでわからない模様の出方を、ある程度まで予期してコントロールするのはとても難しいことだった、と松本さん。

完成した器は、一見するとコーヒーカップには見えない不思議な形をしています。この形状にも、もちろん井崎さんの並々ならぬこだわりがありました。

「コーヒーは香りがすべて。そして、できるだけ薄くてガラスに近い器がコーヒーには向いている」と井崎さん。熱を保ちながら薄くするには磁器が向いており、なかでも有田焼は硬くて丈夫なので、コーヒーカップにも向いているそう。

香りを逃さないために蓋をつけ、口縁はできるだけ薄くすることで、コーヒーの繊細な酸味や香りを感じやすく、さらに、目で見てもおいしさを感じられるように、内側の白さも探求しました。カップ内側の透き通るような白とコーヒーの色が美しく対比。持ちやすいとはいえない形状のため、この器で飲むには、心と時間のゆとりも必要。そんな不便さも含めて楽しんでほしい、と井崎さん。

カップ内側の透き通るような白とコーヒーの色が美しく対比。持ちやすいとはいえない形状のため、この器で飲むには、心と時間のゆとりも必要。そんな不便さも含めて楽しんでほしい、と井崎さん。

アリタポーセリンラボの松本さんは、「釉薬のコントロールや、曲面の表現、求められる薄さの実現など、難易度の高い工程も多かったが、私が探求し続けている、有田焼の新しい可能性を体現できた」と言います。

香り、色、味から、飲み口が唇に触れた時の感触、蓋をした時の音に至るまで、まさに五感でコーヒーを楽しめる要素をすべて兼ね備えた、最高のカップが完成した、と井崎さんも大満足。
アリタポーセリンラボの工房で完成品を前に語り合う松本さんと井崎さん。互いに年々富裕層や海外からの顧客が増え、より希少性や芸術性が求められるようになってきたと感じているそう。

アリタポーセリンラボの工房で完成品を前に語り合う松本さんと井崎さん。互いに年々富裕層や海外からの顧客が増え、より希少性や芸術性が求められるようになってきたと感じているそう。

幸せなコーヒーブレイクを創造するために東奔西走する井崎さんと、今年220 周年を迎える弥左エ門窯で最上級のシリーズを作る計画を始動した松本さん。世界を見据えたお二人の挑戦は今後も続きます。

The M 「日照昼月照夜」(にっしょうちゅうげっしょうや)

The M 「日照昼月照夜」(にっしょうちゅうげっしょうや)ゴールド2万5300円/プラチナ 2万3100 円/ゴールド・プラチナ セット4万8400 円 ※サイズ:径75 ×高さ160 mm。すべて木箱入り。珈空暈およびアリタポーセリンラボ旗艦店で販売。

珈空暈(こくうん)

珈空暈(こくうん)
完全予約制。住所非公表(東京都港区。表参道駅から徒歩10分圏内)詳しい住所は予約確定後に連絡)https://cokuun.com/


有田ポーセリンラボ旗艦店

アリタポーセリンラボ旗艦店
佐賀県西松浦郡有田町上幸平1-11-3
TEL:0955-29-8079
営業時間:11時~17時
定休日:火曜 
※「有田陶器市」の期間(2024年4月29日~5月5日)は無休。

●商品についてのお問い合わせ
アリタポーセリンラボ
電話 0955-43-2224
URL: http://aritaporcelainlab.com

撮影/延 秀隆

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