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もしハイドンが現代に生きていたら…。プロコフィエフの想像力が生んだ一曲

2024.04.21

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第234回 プロコフィエフ『交響曲第1番“古典”』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

ハイドンが現代に生きていたら書いたであろう作品とは

今日4月21日は、旧ソ連の作曲家セルゲイ・プロコフィエフ(1891~1953)の『交響曲第1番“古典”』の初演日です。

サンクト・ペテルブルク音楽院を優秀な成績で卒業したプロコフィエフは、ロシア・バレエ団の主宰者セルゲイ・ディアギレフのすすめで作曲したバレエ『アラとローリー』を改編した『スキタイ組曲』の成功によって、将来を嘱望される作曲家としての地位を築き始めていました。

本来はピアノを用いて作曲するところを、あえて使わないことによる自由な発想を試みたプロコフィエフは、ハイドンの技法にちなみ、「ハイドンが現代に生きていたら書いたであろう作品」を手がけます。田舎道を散歩しながら、頭の中だけで作曲したと伝えられ、『古典交響曲』と名づけられたこの新作は、「現代人が住んでいる古い町」と評される名作となったのです。


1918年4月21日、レニングラード(現サンクト・ペテルブルク)において行われた初演は、前作『スキタイ組曲』のような過激さを期待した聴衆には少々物足りなかったようですが、プロコフィエフにとっての大きな1歩であったようです。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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