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ルボンボン優子さんと訪ねるタイ“シノワズリ”の世界「ジム トンプソン ハウス & ミュージアム」

2024.04.01

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〔特集〕近くて最旬のアジア(3)ルボンボン優子さんと訪ねるタイ“シノワズリ”の世界 東南アジアの中心に位置し、古くからさまざまな国の影響を受け文化を育んできたタイ。この国に息づく“シノワズリ”な世界を、2023年春、タイに移住したルボンボン優子さんに案内していただきました。インテリアの参考になるスポットから、お気に入りのレストランやホテル、そして素敵なご自宅まで。優雅なタイの魅力をご紹介します。

・特集「近くて最旬のアジア旅」の記事一覧はこちらから>>

タイの暮らしに息づく工芸を訪ねて

「ジム トンプソン ハウス&ミュージアム」の応接室からテラスを眺める優子さん。チーク材で作られた部屋にビルマの仏像などの美術品が飾られ、天井にはシャンデリアが煌めく。※特別に許可を得て応接室内での撮影をしています。

ルボンボン優子さん
ヨーロッパやアジアから輸入するインテリアアイテムやテーブルウェアを扱うセレクトブランド「ルボンボン」オーナー。ホームデコレーションや食卓など日々の暮らしを発信するインスタグラム(@lebonbonyuko)や「美味しい!家庭画報」(@bimi_kateigaho)の連載が人気を集めている。

タイのシルク王の旧邸宅に宿るシノワズリの美「ジム トンプソンハウス & ミュージアム」

生活に潤いをもたらし、心を豊かにする“好きなもの”に囲まれて暮らす幸せを、家庭画報の誌面でたびたび伝えてくださったルボンボン優子さん。東西の美が調和するその独自の世界観は、海外生活やさまざまな国籍の友人たちとの交流の中で育まれました。


1868〜1910年に在位したチュラロンコン王の紋章が入ったテーブルと、バンコクの宮殿で使われていた同時代のシャンデリアが目を引くダイニングルームには、タイの富裕階級の間で西洋的な装飾がはやった頃の雰囲気が漂う。飾られているブルー&ホワイトの陶磁器の多くは15〜17世紀の中国やベトナムのもの。

優子さんが2023年春に新たな住まいを構えたタイは、過去にも7年間暮らした国。地理や歴史的要因によって多様な文化が交錯するこの国から、たくさんのことを学んだといいます。

そのなかでも「私のスタイルの原点になった場所」として連れて行ってくださったのは、タイシルク産業を発展させ世界中に広めた、実業家であり建築家だった伝説のアメリカ人、ジム・トンプソン氏が暮らしていた邸宅です。

トンプソン氏が暮らした当時、唯一エアコンが入っていた書斎。8世紀の仏像や宋胡禄(すんころく)などの古陶磁、フランス版画などが飾られている。

花が捧げられたトンプソン氏の写真。軍人としてタイに派遣され、退役後にもタイに永住し、この国の伝統工芸である絹織物の復興に人生を捧げた。

「東洋のベニス」と称されていた往時のバンコクの面影を残す運河沿いに立つこの邸宅は、チーク材でできたタイの伝統家屋を6軒集めて造られたもの。随所にトンプソン氏の建築家としてのアイディアが生かされ、タイやシノワズリと西洋的な美しさが見事に融合する唯一無二の場所です。

「初めてここを訪れたときから四半世紀を経て、私自身がさまざまな経験を重ねたからでしょうか。今いっそうこの家の素晴らしさに心惹かれるようになりました」。

家の細部にまで行き届いた美の探究者の眼
── ジム トンプソン ハウス & ミュージアム

珠玉のコレクションをトンプソン氏が暮らしていた当時のままで鑑賞できるのが、このミュージアムの大きな魅力です。多くのセレブリティが訪れる社交場だったダイニングルームや応接室をはじめ、書斎や寝室といったプライベートなスペースにさりげなく展示されている東洋美術やアンティークは、卓越した審美眼で選び抜かれたものばかり。それらを生活空間に取り入れる術からも氏のセンスを感じられます。

ランが植えられた中国の大鉢には鎹(かすがい)が打たれ、修復の跡が残る。気に入ったものは直しながら大切に使うトンプソン氏の考え方を知ることができる。

ゲストルームに置かれた鏡台。ボウルや蓋物に混じってオブジェとして飾られているのは、遊び心があって可愛いと隠れた人気がある猫形の尿瓶(しびん)。

「ブルー&ホワイトの陶磁器といった工芸品や、中国の影響が色濃いデザインの調度品など、私が好きなシノワズリな趣があるところも多く、自宅のインテリアに生かしたくなるアイディアが見つかる大好きな場所」と優子さん。

応接室の奥に置かれている、繊細な彫刻が施されたガラスキャビネット。中には、色鮮やかで可愛らしい古い時代のベンジャロン焼が並ぶ。

この家の完成から8年後の1967年にトンプソン氏は休暇で訪れていたマレーシアで失踪。しかしながら、この壮麗な邸宅と収集された美しき宝物は今もなお、氏の類いまれなる美意識とアジア文化へ傾けた強い情熱を伝え、訪れる人々を魅了し続けています。

アユタヤから川を使って運んだ古民家など6軒分を合わせ、造られた邸宅。

ジム トンプソン ハウス & ミュージアム
6 Soi Kasemsan 2, Rama 1 Road,Bangkok
TEL:+66-(0)2-216-7368
営業時間:9時~18時(最終ガイドツアーは17時)
定休日:無休
入場料:200バーツ

【Special Information】ルボンボン優子さんと一緒にお買い物
バンコク、シノワズリの世界を巡る旅へ

ショップや工房に同行し、お買い物のアドバイスをしてくださるルボンボン優子さん。

この特集で紹介した美術館やショップ、バンコク郊外にある工房をルボンボン優子さんとともに巡り、お買い物やオーダーメイドを楽しむツアーを企画しました。滞在はチャオプラヤ川を目の前に立つ最新のラグジュアリーホテル「カペラ バンコク」。“シノワズリ”の世界に浸る特別な旅に、きっとなるはずです。詳細は発売中の家庭画報2024年4月号、またはプレミアム旅行社までお問い合わせ下さい。
(問)プレミアム旅行社
TEL:03‐3262‐6480
受付時間:10時30分〜17時30分(休業日:土曜・日曜・祝日)
URL:https://pre-t.co.jp/


(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年04月号

家庭画報 2024年04月号

撮影/本誌 ・ 西山 航 取材 ・ 文/鈴木博美 コーディネート/相田みのり、平原千波 ※1バーツ=約4.16円(2024年2月6日現在)。※表示の料金には別途税金やサービス料がかかる場合があります。

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