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足の寿命はたった50年!? 専門医に聞く「人生100年時代の足のセルフケア」

2024.04.12

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人生100年時代を楽しむために“母娘” で今から始める体のメンテナンス 第2回 人生100年時代を健やかに楽しく過ごすためには、世代にかかわらず日頃からの体のメンテンナスが欠かせません。そこで、気づかないうちにダメージを受けている「耳」と「足」の機能に注目し、セルフケアを中心に役立つ情報をお届けします。前回の記事はこちら>>

順天堂大学医学部附属順天堂医院足の疾患センターは日本の大学病院で唯一の足の病気を専門とする施設です。

センター長を務める田中里佳先生は「画家で解剖学にも精通していたレオナルド・ダ・ヴィンチは“足は人間工学上の傑作であり、最高の芸術作品である”という言葉を残しています。ヒトの足は体を支え、動くために精巧に作られているのです」と語ります。

田中里佳(たなか・りか)先生 順天堂大学大学院医学研究科 再生医学 順天堂大学医学部形成外科学講座 教授 順天堂大学医学部附属順天堂医院 足の疾患センター センター長

田中里佳(たなか・りか)先生

2002年東海大学医学部卒業。同附属病院で臨床研修後、04年同形成外科入局。06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学。東海大学医学部形成外科、順天堂大学医学部形成外科准教授等を経て20年から現職。日本形成外科学会専門医、日本創傷外科学会専門医、日本再生医療学会認定医。日本フットケア・足病医学会理事。

足を美しく丈夫に保つことは、歩行だけでなく、全身の健康に重要

「体重60キロの人が一日1万歩を歩くとすると、1歩ごとに片足に30キロ以上の体重が5000回かかります。体のどこか別の部位に30キロ×5000回の重さが加われば耐えられないでしょう。それが大丈夫なくらい足には素晴らしい機能が備わっています」。

一方で、医療の世界では“足や脚の寿命は50年”といわれているそうです。

「人体の構造はヒトが二足歩行を始めたばかりの時代と変わらないため、当時の寿命の50年程度しかもたないという意味です。精密な構造物である足も長年のうちに劣化し、その状態で負荷をかけ続ければ限界が来ます。人生100年時代、若いときと同じように動くには残り50年分も支障なく使えるように足を鍛え、ケアをする必要があります」。

足は加齢によって変化し、機能も落ちる

足のトラブルとして訴えが多いのは、痛み、むくみ、しびれの3つとのこと。親指のつけ根の骨が飛び出し、靴を履くと痛む外反母趾、足のアーチが低下した扁平足、足のアーチが崩れたために足底腱膜が引っ張られて炎症を起こす足底腱膜炎のほか、足にはさまざまな病気があります。

その背景には、生まれつきの足や脚の形、体の使い方のくせ、合わない靴や運動など足に加わる短期あるいは長期の刺激、加齢、運動不足、足以外の病気などがあります。 

年齢を重ねると体のほかの部位と同様に筋肉や脂肪が減少し、腱や靱帯も細くなって足自体が薄くなります。それによって骨と骨の間が狭くなり、そこにある神経が圧迫され、痛みやしびれが出ます。

「フローリングの床に足をつくだけで骨が当たり、痛みを感じる人もいます」。また、ふくらはぎやかかとなども含め、筋肉の柔軟性が落ちると硬くなった筋肉が神経を押すため、やはり痛みやしびれがあらわれます。 

足が痛むと姿勢を保ちにくく、それが首や背中、腰、内臓に影響し、尿失禁や呼吸機能の低下などを招くことが知られています。

また、「長く続く足の痛みの原因がわからず、いくつも整形外科を回った方が来院され、血液がんとわかった例もありました」。がんなど内臓の病気で足のむくみやしびれが出るケースもあるそうです。足の症状が長期間続く場合は診察を受けることが大切です。

気をつけたい足の主な症状

●巻き爪
●外反母趾
●血行障害
●白癬(水虫)・爪白癬(爪水虫)
●扁平足
●下肢静脈瘤
●足底腱膜炎

イラスト/にれいさちこ 取材・文/小島あゆみ

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