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旧暦のお雛祭はこれから! 京都で貴重なお雛様とお料理を楽しむ

2018.03.19

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京料理ちもと 

まずはお雛様の解説から


では、実際のお雛祭りの段取りをご紹介しましょう。来店したお客様は、まず大広間へ案内され、お茶をいただきながらお雛様を観賞します。その際、女将の松井 薫さんによるお雛様についての解説を聞くのが楽しみの一つ。その後、いよいよ別室にてお雛様の特別な料理を味わうという流れです。

京料理ちもと 女将の松井 薫さん。2006年に若女将としてちもとで働き始め、2013年に女将に。アメリカ留学や、海外勤務経験をなさったグローバルな方なので、海外からのお客様のおもてなしも安心してお任せできます。取材時には、お雛祭りの由来が中国の上巳であることや、料理や飾りつけのモチーフと女性の結びつきなどを丁寧にご説明くださいました。

お雛様の見どころは?



女将さんは「お客様に正しい情報をお伝えしなくては」との思いから、図書館で文献をお調べになったり、人形師や歴史家から学ばれたりと、雛祭りについて見識を深められたそうです。ちもとに受け継がれているお雛様についてポイントを教えていただきました。

「大正時代のお雛様の特徴は小ぶりで、くせのない上品なお顔をされていることです。明治のものは、当時流行の鉤鼻になっていたり、お顔が少し大きかったり。また現代では男雛が女性のようなきれいなお顔立ちをしているなど、時代ごとの変化が見られます。御所を模した御殿を製作したのは宮大工さん。その精巧さも見どころです。京都文化博物館には、当家以上の規模の昔のお雛様が保存されています。しかし、お道具類がそれほど散逸せず、これほどまとまって残っているものは滅多にないようです」。

お雛祭りに際し、毎年3月1日には広間で八坂神社の宮司さんによるお払いが行われています。これはお雛様に神様を宿すとともに、お店だけではなくお客様の幸せを祈願するのが目的です。つまり歳時の期間、お雛様は神様と同じ。そのため、女将さんはお客様に「どうぞ、お帰りの前にお雛様に祈願なさってください」と勧めています。

京料理ちもと 雛懐石の八寸。扇や風船の器、桃の花を浮かせた白酒など、趣向を凝らした演出が見事です。2万3000円のコース(税別)

京料理ちもと 雛懐石のお椀。2万3000円のコース(税別)

京料理ちもと 雛懐石の御造り。2万3000円のコース(税別)

京料理ちもと 雛懐石の雛寿司。お雛様の描かれた器もお見逃しなく。2万3000円のコース(税別)

ちもとのお料理のモットー


享保3年(1718)に創業したちもとは、伝統を守りながらも常に新鮮な提案を心がけているお店です。店主の松井明太さんは、ちもとのお料理について次のように言います。

「毎月、献立を新しくするのをモットーとしております。これは大村しげさんがいらした頃から変わりません」

大村さんの約30年前の記録では、八寸にフォワグラのゼリー寄せが含まれていることが書かれていました。伝統の中に巧みに新しい提案を織り交ぜていたことが、過去の記述からも見えてきます。何度訪れても、飽きることがなく新鮮な気分を味わえる。これがちもとの個性であり、長く愛されてきた理由に違いありません。
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