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絵画にとどまらない多彩な展示も見どころ! バレエ衣装の制作がマティスにもたらした学び(連載第9回)

2024.03.21

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「マティス 自由なフォルム」展がもっと楽しくなる短期集中連載。

5月27日まで国立新美術館で開催されている「マティス 自由なフォルム」展。マティスが後半生に取り組んだ「切り紙絵」の作品を中心に、これまでとは異なる視点で紹介される、とてもユニークで貴重な展覧会です。大きなサイズの作品や大掛かりな展示も圧巻。作品の見どころを、美術展プロデューサーの今津京子さんが解説します。連載一覧はこちら>>

第9回 『ナイチンゲールの歌』「マティス 自由なフォルム」

文/今津京子(美術展プロデューサー)

1919年、マティスは当時人気の高かったバレエ・リュスから注文を受けて、アンデルセンの童話を元にした『ナイチンゲールの歌』の舞台、衣装と緞帳を手がけます。

「マティス 自由なフォルム」国立新美術館 2024年 展示風景 ©Succession H. Matisse

ストラヴィンスキーが作曲した交響詩を振り付けたバレエで、衣装は有名なデザイナー、ポール・ポワレのアトリエで制作しました。大きな空間での仕事となったこの舞台制作で、装飾というものを動く色——この場合は衣服ですが——で絵を描くように考案することをマティスは学ぶのです。


アンリ・マティス(モンテカルロ・バレエ団のアトリエによる制作)《『ナイチンゲールの歌』の皇帝のための衣装》1999年 モンテカルロ・バレエ団蔵 ©Succession H. Matisse Photo: François Fernandez

アンリ・マティス(モンテカルロ・バレエ団のアトリエによる制作)《『ナイチンゲールの歌』の機械仕掛けのナイチンゲールのための衣装》1999年 モンテカルロ・バレエ団蔵 ©Succession H. Matisse Photo: François Fernandez

展覧会では1999年にモンテカルロ・バレエ団による再演の際に制作された4つの役の衣装が展示されています。実際の公演の様子も映像でご覧いただけます。

マティス 自由なフォルム
国立新美術館 企画展示室 2E(東京都港区六本木7-22-2)
会期:2024年2月14日(水)~5月27日(月)
開館時間:10時~18時 ※毎週金・土曜日は20時まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日:毎週火曜日 ※4月30日は開館
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
観覧料:一般2200円ほか
展覧会ホームページ:https://matisse2024.jp
 
今津京子/Kyoko Imazu
撮影/小野裕次

撮影/小野裕次

美術展プロデューサー。パリをベースに、今回の「マティス 自由なフォルム」、「ルーヴル美術館展 愛を描く」(2023年)、「ガブリエル・シャネル展 Manifeste de Mode」(2022年)、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」(2020年)など、40年にわたり数十を超える大型展覧会の企画に携わる。日仏英の3か国語を操り、美術、ファッションなどの分野でジャーナリストとしても活動。音楽、演劇、料理、アンティークなどアール・ド・ヴィーヴルをこよなく愛する。

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