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思い出の風景「小学校の桜」を訪ねて。土浦市立真鍋小学校

2024.03.18

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〔特集〕思い出の風景「小学校の桜」 3月の卒業式から4月の入学式にかけて、満開を迎える校庭の桜。わがふるさとや、昔の思い出を呼び起こす、懐かしく愛おしく、そして希望に満ちた風景へとご案内します。

特集「小学校の桜」の記事一覧はこちら>>>
誰もが通る6年間の小学校生活。人生で最も感受性が豊かで、大きく成長するこの頃に校庭で見上げた桜の花には、皆、特別な思いがあることでしょう。わが子や孫の成長を喜んだ日の記憶も甦るかもしれません。

人の手で植えられ、守られ、そして子どもたちの成長を見守った令和5年の桜の物語をお届けします。

土浦市立真鍋(まなべ)小学校【茨城県・土浦市】

明治40年に卒業生により校庭に植えられた5本のソメイヨシノは、毎年入学式の頃、教室の窓を一面桜色に染める。新しい門出を祝う春の贈り物、いつまでも忘れられない風景。

心の拠り所、幼き頃の桜色の思い出

真鍋小学校の校庭の真ん中に咲き誇る5本のソメイヨシノは、茨城県の天然記念物に指定されている。麻布が巻かれた支柱に支えられ、根もとを踏まれても根が傷まないよう地中に鉄板が敷かれている。

3学期も終わりに近い3月下旬のある日、真鍋小学校の校庭の真ん中に堂々とした姿で立つ5本のソメイヨシノは、枝の隅々まで勢いよく立派に開花し、朝日を受けて輝いていました。明治40年、卒業生により植えられた小さな苗は117年の時を経て巨木になり、新入生や進級する子どもたちを祝福しているかのよう。


校庭の真ん中で生き続ける5本の桜の巨木。真鍋小学校では、桜の木の下で新1年生を迎える会が行われる。

校庭では毎年4月上旬に「真鍋の桜を楽しむ会」が開催され、児童や保護者のほか、地域の人々で賑わいます。地元を離れていても、この日のために戻ってきて参加する人も多いそうです。

新1年生を迎えるために児童が制作した貼り絵「真鍋の桜」。

「小学校の桜は人と人をつなげる地域の財産です」と語るのは、平成17年に「真鍋の桜保存会」の事務局を立ち上げた小泉光正さん。60年前の真鍋小学校の卒業生であり、同校の校長先生でもありました。桜を通して、小学校を中心に地域をつなげていきたいと考えたのです。

「小学校は単なる義務教育の通過点ではなく、地域をつなげる拠点です。小学生の頃は最も感受性が強いとき。だから、私たち大人が校庭の桜を大切に手入れしていれば、子どもたちは自分たちの学校やふるさとが守られている、と感じるでしょう」。

1階の「桜ホール」の床には桜模様の寄木細工が施されている。

保存会と地域の人々の活動の甲斐あって、ソメイヨシノは衰えることなく、毎年見事に開花し、地域の誇りになっています。

根を守るため地中に鉄板を敷いているので、子どもたちは根を踏むことを気にせず木の下で遊べる。

「いつか大人になって、地元を離れて忙しく暮らしていても、何かのときに、ふと真鍋の桜を思い出してほしい。ふるさとは私たちの原点。心のどこかに桜色のふるさとの思い出を持つ者は、いい人生が送れると思うのです。そして、いつか彼らの中から“私もふるさとの桜を守りたい”と思う人が出てくれたら嬉しいです」と話す小泉さん。

桜色に塗られた外壁が印象的な校舎。

ふるさとの桜の尊さは、年を重ねれば重ねるほど見えてくるのかもしれません。真鍋小学校の桜は地域の人により守り育てられ、そして地域の人々をつなぎながら、今年も華麗な姿を見せてくれることでしょう。

校庭一面桜の花びらで覆われる。

(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年04月号

家庭画報 2024年04月号

撮影/小林廉宜 取材協力/公益財団法人日本花の会

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