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イタリアが生んだマエストロ、トスカニーニが引退を決意した最後のコンサート

2024.04.04

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第217回 ワーグナー 楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』前奏曲

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

巨匠が引退を決意した歴史的瞬間とは

今日4月4日は、20世紀前半を代表するイタリアの指揮者、アルトゥーロ・トスカニーニ(1867~1957)が、生涯最後のコンサートを行った日です。

ミラノ・スカラ座やメトロポリタン歌劇場の音楽監督を歴任し、ドイツの名匠フルトヴェングラー(1886~1954)と並び称されたトスカニーニの特徴は、早く正確なテンポと、徹底したアンサンブルの統一でした。

極度の近視であったことから、譜面台に置いた楽譜が見えず、脅威の記憶力によって本番もリハーサルも暗譜で指揮をすることでも有名だったトスカニーニでしたが、得意のワーグナーばかりを揃えた1954年4月4日、カーネギーホールでのコンサートにおいて、記憶障害を起こして演奏を一時中断してしまったのです。


そしてこのコンサートの直後に引退を表明。栄光に満ちた長いキャリアに終止符を打ったのでした。この日の最後に演奏されたワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』前奏曲は、まさにトスカニーニの“白鳥の歌”とされる名演です。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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