服部道子プロに教わる 人生を豊かにするゴルフ ゴルフは老若男女、上級者や初心者にかかわらず、一緒にプレーを楽しめるスポーツです。自然と一体になりながら、脳と体を刺激する。人生100年時代、ゴルフを通じて健康に豊かに過ごすための秘訣を服部道子プロから教わります。
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ジュニア世代に無限の可能性と選択肢を提示したい
1年間の連載、最終回は日本ゴルフ界のこれからについて、私の今の思いをお話ししたいと思います。
以前、世界の舞台で“勝ちきれる”日本人選手が増えたとお伝えしましたが、その大きな要因は教育の変化です。情報社会になり、最新のトレーニングや指導法を容易に入手できるようになりました。みんな並んで練習という時代は過ぎ、個々に合った指導を考える。むしろ、コーチが1から10まで教えるのではなく、選手に“自分には今何が必要なのか”を考えさせる指導に変わってきました。
コースでは一人きり。世界で活躍する選手が増えたのは、直面する課題に瞬時に対応できる力が養われてきたからだと思います。
若い頃から海外の試合で経験を積み、自分の課題を見つけることはとても重要です。
全国でジュニア選手の育成を行う服部道子プロの活動より。プロを目指す選手を支援する企業のアドバイザリーを務め、最終プロテストの直前には、実際のコースで合宿を行い、技術やメンタルの指導に取り組んでいる。写真は沖縄合宿にて。
私は高校卒業後、アメリカに留学する道を選びました。テキサス大学では、約5か国から選抜された学生ゴルファー12名ほどに学費、練習費、生活費が給付されます。
学業も疎かにしないために、家庭教師をお願いすることもできました。そうした手厚いサポートの中で世界の学生トップ選手と切磋琢磨し、アメリカ各地で経験を積めたことで、人生の幅が広がったと実感しています。
現在は、高校卒業後すぐにプロへ転向する選手が多いですが、世界にはゴルファー育成のためのさまざまな制度があります。
多様性の時代、我々日本ゴルフ協会は、選手へ無限の可能性があることを伝え、選手のあらゆる選択に最大限に応える環境を構築していきたいと考えています。
鹿児島の「Vポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」では、地域のジュニア選手のためのイベントを開催。
小学生を中心に、一人一人の課題に寄り添った指導が行われている。
ゴルフは年齢による上達の差もなく、親子3代でも健康的に楽しめる生涯スポーツです。何より、自然の中で心身をリフレッシュするのは気持ちがいい！
本連載を通じて、皆様にゴルフの魅力が伝わり、始めてみようと思うきっかけになっていれば嬉しく思います。
〔服部道子プロに教わりました〕
Q 季節によって打つときの注意点やクラブの選択は変わりますか？
A 冬と夏では1クラブ違うと思えばゆとりが生まれます寒い日は猫背になってしまいがちです。自然とボールを打つときの構えが前かがみになり、ウェアも着込んでいるので、捻転が悪くなります。
冬は特に、肩や腕の力を抜いてゆっくり振ることを意識しましょう。また、寒い日はシャフトやボールが冷え、距離が出にくくなります。夏と比べて、1クラブ飛ばないというイメージでクラブの選択をすると、気持ちにも余裕が生まれるでしょう。
気候に限らず、上手くいかない場合でも下を見ずに空を見ながらリズムよく歩き、姿勢を正すと、気持ちも上向きに。スコアアップとスタイルアップにつながると思います。
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服部道子（はっとりみちこ）
11歳からゴルフを始め、1984年に日本女子アマ選手権を当時の史上最年少で初制覇。1985年、全米女子アマを当時の史上最年少かつ日本人として初優勝。アメリカ・テキサス大学に留学しNCAAリーグで10勝。1998年に年間5勝を挙げて賞金女王に輝く。現在はゴルフオリンピック日本代表女子コーチを務める。著書に『好転力』（世界文化社）。ゴルフトーナメントのテレビ解説やコラム執筆でも活躍。
